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平成23年第2回定例会(第4日目) 名簿 2011-06-21
平成23年第2回定例会(第4日目) 本文 2011-06-21

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  1. 仙台市議会 2011-06-21
    平成23年第2回定例会(第4日目) 本文 2011-06-21


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(野田譲)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(野田譲)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、田村稔君及び石川建治君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(野田譲)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、加藤和彦君に発言を許します。     〔一番 加藤和彦登壇〕(拍手) 4: ◯一番(加藤和彦)このたびの東日本大震災において、仙台市でも宮城野区、若林区の浜寄りの地域のみならず、青葉区、太白区、泉区の山寄りの地域でも大災害を受けたことは、本当に痛ましい限りであります。改めて、被災者の方々に心からお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方に謹んで哀悼の意をささげます。また、被災地に国内外の多くの地域や団体等、自衛隊や警察、消防や民間ボランティアの方々には、宮城県、本市に対しての御支援、心から感謝を申し上げます。  今議会はそれを受けて仙台市をどのように復旧・復興していくのか、その担い手に自分たちが当たらなければとの思いが沸々とわき上がってきます。それは、私どもの親たちが焦土と化した戦後の仙台市を懸命に立ち上がらせるためにどれほど尽力してきたかを考えると、仙台市の復興は少子高齢の時代ではありますが、今度は自分たちの年代の市民がやらなければと自覚し、気概を高めております。  宮城地区でいえば、折立住宅地域のがけ崩れは、住民は避難し、折立小学校折立中学校に間借りして急場をしのいでいます。高野原団地は地面にひびが入り、土台が浮き上がり、避難する状態で、いつ復旧するかめどが立たない。また、西仙台ハイランド地区も大きな災害をこうむっていたり、みやぎ台地区では造成盛り土のり面崩落など、被害の復旧と生活の場の確保に懸命に努力しています。  私は、仙台市の復旧力により市民の生活基盤を安定させるとともに、新しい発想での仙台力で復興を進める道を二つに絞って考えております。第一に、自然の摂理に逆らわずに、深刻な被災地でも自然と共生しながら利活用していく、自然エネルギーを積極的に生かす太陽光発電で、大電源地域を造成するべきであります。第二に、食と産業を守る環境設定に重点を置いて市民の活力を引き出すこと、すなわちこれまでの単なる地産地食、利便性の追求重視の立地の考え方を見直して、放射能の心配を引きずらない食生活、確実に安定した地盤の上に立地する考え方に変えることであります。  以下、その内容を述べながら、質疑を行います。  初めに、太陽光発電を被災地の復興と集中型電源依存からの脱却に活用について、数点伺います。  地球温暖化対策を進める中で、世界唯一の原爆被災国でありながら原子力発電有効を掲げて政府が力を入れてきましたが、東日本大震災原子力発電所の危うさを実感し、国民はまたしても原発事故による被害の甚大さを嫌というほど身にしみて知りました。
     日本の化石燃料に頼らない自然エネルギー資源についての開発は世界をリードし続け、二〇〇四年ごろは日本は太陽光発電では世界一の生産国であったのに、近年、世界じゅうで争って太陽電池を生産すると、その流れについていけず、二〇〇八年にはたった四年間で第三位に転落しています。  そこで、国としても太陽光発電を、予想される東北、東京両電力会社の深刻な電力不足対策景気浮揚策を兼ねて、クリーンエネルギー利用を打ち出した。しかし、大震災被災地の立場で考えると、まだ停電している地域がある現実から、市民活動の源泉である動力源を身近に持つことが大切だと切実に感じている。それだけではない。集中型電源のもろさを克服し、さらに有効活用を兼ねて、地産地消型の電源を確保しようという発想を真剣に検討する段階に至りました。これについて当局の考えをお伺いします。  地震、津波による災害は、破壊だけではない。地上には瓦れきが散乱、表土は塩害が深刻、それに大規模な地盤沈下が重なって、いつまでも水没したままの状態が続いています。これを復旧しても田畑への利用は困難で、利用目的を変更しなければどうにもならない。時間をかけて擁壁を築いて地盤を確保したとして、利用の道は開けるのか。  市では、大規模な公園緑地造成などの構想を練っていますが、そこで提案があります。思い切って農地から転用して、大電源地域として活用するのはどうでしょうか。市で消費する電力の一部になれば、産業界はもとより市民生活に貢献するばかりでなく、地権者に借地料が支払われれば一挙両得ではないでしょうか。津波被害に遭った方で農業をあきらめる方にもお勧めして、希望者を募れば相当の方の参加が見込めるのではないかと考えます。この発想の転換について当局のお考えをお伺いします。  仙台市が突出してこの計画を推進するのではなく、宮城県の復興計画の一番に掲げた太陽光発電であることを取り上げなければなりません。県では、(仮称)震災復興計画策定懇話会を設置し、その座長に小宮山宏氏が就任したことは御承知のとおりであります。それと並行して市の計画を進めることが、第一のかぎである。  次に、地権者は団体を結成して土地の利用に当たれば、相手方とすべてが見え、安心して契約できると考えます。だから、積極的に活動していただける方をリーダーとしてお願いすることが、第二のかぎである。  太陽光発電システムメーカーは、シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機など、有力な会社がそろっています。そこで、ソフトバンクの孫社長のようなやる気のある企業に経営させることが、第三のかぎである。  それから、大切なのは、太陽光発電システム電力会社の送電網につなげることであります。これを系統連係といいますが、発電量が設置場所での利用量を上回る場合は電力会社に買い取ってもらい、夜間や悪天候時などの発電量を利用量が上回るときは系統側の電力供給で賄う。これが、第四のかぎであります。  この成功のかぎについて、それぞれのかぎに当局のお考えをお伺いします。  太陽光発電の展開への障害除去について伺います。  まず、国の制度の改革であります。売電を目的とした発電を公式に認めていないのは、電力会社の利益擁護と見られても弁明ができない。今も発送電分離法は、成立していない。これは時代おくれの発想であって、先進国では高額での売電を認めているから、一般家庭にまで普及したという実績があります。  現在の発電設備は高額で、国や県の補助を得ても二十年売電してやっと投資額が回収できる状態である。これでは普及するはずがない。そこで、これに対応するかのように、研究開発は従来の結晶系太陽電池から有機系太陽電池に移り、製造時の二酸化炭素の排出量が少なく、原材料の資源的制約が可能となり、カラー化、フレキシブル化、大面積化、高速印刷製造可能により低価格を達成できると期待されています。まだ太陽光から電気エネルギーへの変換効率が低く、耐用年数が数年と短い欠点があります。これらは当然、改善改良される課題であります。しかし、その数年後には高効率化され、小型化されて各家庭で自由に設置できるようになれば、普及は目に見えて進展すると考えます。  市は、これまで大震災復興計画の中で、風力発電太陽光発電の普及について明確な考え方や普及の方法について明らかにしてこなかった。国も県も総力を傾けて取り組んでいる中で、市はどうして示さなかったのか、私には障害の一つとしか考えられません。私は、これらの障害を乗り越えて、太陽光発電が実現できることを強く期待しています。これらのことについて当局のお考えをお伺いいたします。  次に、放射能の心配を引きずらない食生活、産業を守り安定経営の環境設定について数点伺います。  仙台市中央卸売市場の売上高から見た食品の相場は、本年四月の状況では水産物は前年比八十四%台で、少ない鮮魚を冷凍品が補充した形、青果は県内蔬菜が数量で前年比の七十六%、金額で五十九%と特にひどい状況、県外物が九十五%、金額七十二%と比較して、その落ち込みのすごさが目立ちます。  放射能風評被害がここまで及んでいることが、手に取るようにわかるデータです。安心できない市民の感情も、子供を思えばこその結果であります。不利な条件を克服して出荷した農家の気持ちを考えると、風評被害だと割り切っては問題解決には結びつきません。仙台周辺の農産物は心配ないだけでなく、安心して食べられることをしっかりしたデータを示して広く分かってもらって、正常な需給関係を成立するよう広報し、子供の健康を守る必要があると考えます。  なお、卸売市場に搬入される前の出荷地の段階で、より多くの農水産物を測定し、より安全を期し、食の安心・安全を広報することが市民の目から求められています。千葉市では、五月ごろから市内で流通している農産物を測定しているとのことです。このような現状に対して、当局の努力の状況と今後の見通しについてお伺いします。  災害救援物資は、食品に関しては手早く食べられるものに支援者の目が集中し、即席めん、パンなどの炭水化物、果物など輸送しやすいものが多く、蔬菜を含む煮炊きの必要な物資は余り入りません。特に、新鮮野菜は鮮度の問題もあり、取り扱いが難しい。しかし、分配する栄養士の悩みも深刻です。どうしたら避難者の健康を守れるか、今あるもので組み合わせる難しさに直面している姿が、現地に行って確認されています。だから、炊き出しはありがたいのであります。  せっかく簡易住宅に住めるようになったのに、水くみ、買い出しで切実な困難に直面している方が多い。入居者相互の新しいつき合いが難しく、まして高齢者では体力が続かず、自家用車もなく、途方に暮れております。どのような生活支援ができるのか、憂慮している。  さらに、在宅被災者は行政の支援から取り残され、行き届いていない事実が現地に行って明らかになっています。大震災の直接の被害は軽かったが、認知症とか身体不自由とか、避難所に行ってかえってぐあいが悪くなり、家を離れて生活できない方への支援はどうなっているか心配であります。避難者の生活と健康を守ることについて、当局の支援実績と今後の見通しをお伺いします。  仙台周辺で生産された牛乳は放射能問題を持たないと言われているが、市場では山形、岩手などの隣県の製品が多数販売されています。より安全な方を選ぶ市民の目から、それもいたし方ない部分もあります。主菜副菜の入らないパンと牛乳の学校給食は子供たちからは歓迎されていませんが、給食センター事情でやむを得ないと親も子供も考え、食べています。災害避難者と状況は同じようなものです。一日も早い復旧を願ってやみません。この件は特に重要なので、当局の責任あるお答えをお伺いします。  大震災で被災し、避難所で生活している方々の暮らしはどうなるのか。当面、生活のすべての手段が失われたため、自活へ踏み切れないのが実情であります。だれもそれを望んでいるのではありません。仮設住宅では自立の道への初歩の段階であるが、自立資金がなければ成り立たない。そして、行政を初め、周りの応援を得て自立へと進む気力が出てくるのであります。  そこで、食生活が改善すれば意欲が出てきて元気になる。それを市民一同、力を合わせて支援することが大切であります。これらについて当局の見方とお考えをお伺いします。  産業復興を目指す被災企業経営者立ち上がりの障害を克服する件について伺います。  産業の復興は、企業経営者のみの努力だけではできるわけがありません。すべてを失って再起しようとする場合、それまでに借り入れていた金額の精算をするとなれば、災害関連融資制度で資金の融資を受けても決済できない場合もあります。仕事場の建設や仕入れ資金運転資金等、経営者にとっては高額の資金を必要とする。金融機関の一方ならぬ支援が求められるが、ゼロからの出発となれば簡単には融資しないだろう。  行政は、企業の身になって考えた支援方策を創設しなければ、いつまでたっても産業の復興は望めないことになります。親身になって企業の再建相談を行い、金融機関との相談にも行政側の支援、育成方策を話し合って、元気づけを行うよう期待しています。それが円滑に動き出したら、中小企業は独創的な技術を発揮して自立すると考えられます。  当局の発案した仙台経済の回復を目指す当面の取り組みでは、企業の苦しみをわかってはいるが、この大震災ということを考えずに、従来の思考にとどまった発想で対処しようとしているのには落胆を禁じ得ません。被災地域では、大災害で立ち上がれない企業が例外なく存在するという危機的な状況であるという認識が足りないのではないでしょうか。  にぎわいの創出により、観光業、小売業の立ち上がりを支援するという。市民に自粛気分の転換を迫るためには、有効な突破口である。それも一理ありますが、一時的な手法で将来に確実に結びつくとはいえません。  当局の発想は、企業が再建するに当たり補助制度を創設するというが、それは事業者が仙台市から出て行くのを恐れているように感じます。現在ではもう、仙台市内とか近隣市町とか区別して考える時代ではありません。大仙台圏として見る見識が求められております。出て行く事業者があれば入ってくる事業者もあるのは、我々の常識であります。自由に動き回れる余裕を持たせるのが、行政の手腕であると考えます。そして、本当に仙台市内に立地して事業を復旧したい、始めたい事業者に支援の手を差し伸べてほしいと考えます。  農地には営農をとだけ考えるのは、思考が狭過ぎます。急速に超高齢化が進む農家の実態から見れば、復旧だけに支援するのではなく、農家の将来は農家自身が考え選択するという考え方で対応してほしいものであります。塩害は作物の食味まで影響するであろうことは、想定内のことである。そこで、試作を繰り返して、どうすればよいか考えるように促すべきであります。  宮城県では、地盤沈下により海抜ゼロメートル地域が三・四倍、過去の最高潮位より低い面積は一・四倍になった。単純に排水すればよいという安易な発想では、解決できない要素であります。深くしみ込んだ塩分を取り除くことの難しさと、防潮堤を広げても囲い切れない道路との兼ね合いがあり、今後の地域発展策でどのように取り組んでいくのか大きな課題である。  瓦れきの撤去が復興の第一歩ですが、仙台市だけでなく、県内各地で膨大な量の瓦れきの処理に苦悩している。自治体ではどうにもならず、国費での撤去を求めています。これは、大災害からの復旧事業の最初から大問題であります。  一次集積所の瓦れきの撤去とその活用について、一考を求めます。大方、瓦れきはその成分によって積み分けする予定だが、なかなか進まない。塩分がしみ込んだため、すべての除塩の必要がある。電化製品はリサイクルできるし、ブロックはコンクリートの原料に、木材はチップ化して将来的には肥料化するのが最も自然でしょう。土砂成分は、積み重ねて内陸の土砂と混合して埋め立てに利用できるだろう。金属成分は溶鉱炉で溶融して、製鉄して資源化するだろうと見ていました。  ところが、仙台港地域の大津波被害により、すべての精錬工場が喪失し、再起しない事務所もあるといいます。設備の復旧には莫大な資金を要し、それに鉄の価格が低迷し、採算割れで事業再開に二の足を踏んでいるということであります。  資源となるものがあっても瓦れきの処分が終わらなければ、すべての復興計画は待ちの姿勢のままであります。もし、仙台市が必要とあれば、製鉄事業者と打ち合わせて再開の道を講ずる手段はないのか考えてほしいものです。事業者への根本的な見方、接し方、支援策、仕方等は今後の産業の復興に大きな力になることを踏まえて、これらについて当局の御見解と新しい発想による今後の支援の進め方をお伺いします。  災害に強い産業の立地は場所を選ぶべきについて伺います。  仙台市内のみならず、県内各地工業団地は、ほとんど平地に立地して繁栄してきました。それが、このたびの大震災でほとんど被災地となり、復興できるかどうか問題提起しています。仙台港近辺では、もともと海面との差が小さい土地だから津波の予想は考えたと思いますが、想定外の大きい津波で、ひとたまりもなく崩壊した。港という宿命で、海面に近く立地するのはいたし方ないし、石油精製など船舶輸送に関する工場も多く集まるのは当然であります。しかし、輸送コストとか利便性を追求して立地した産業はどうだろう。市の工業団地も、例外ではありません。浜寄りに進出したため、大震災、大津波でひとたまりもなく壊滅した。市の振興策も、それを奨励誘致したことであります。市内の低地に立地した産業はそれが当然のことと受けとめ、大災害の危険を予測しなかったのだろう。しかし、根本的に地質を考えたら、違った結果になっていたのではないでしょうか。このことについて当局のお考えをお伺いします。  歩いてみればだれもがわかることは、仙台平野の平地は豊かな地質で農作によく適した土壌であることであります。畑作によし、水田によし、申し分のない土壌であるが、工場立地となるとそれでは通らない。砂壌土が深く、ふだんでも地震の揺れが大きく、いざとなれば液状化現象で建築物が傾くなど、取り返しのつかない被害が発生する。深井戸で水を大量にくみ上げたため地盤沈下を起こし、付近一帯に被害を与えたことも記憶に新しい。このことについて当局のお考えをお伺いします。  市内や隣接市には、電子部品を初め高度の技術を蓄えた工場が多数立地し、主幹産業を支えていた。セントラル自動車も、それを当て込んで大衡村に工場を展開した。ところが、大震災で部品の調達が困難になり、自動車の組み立てができなくなったことは周知のところであります。県内各地で同じような現象が発生し、大地震の脅威を再確認することになりました。  世界の最先端を行く技術開発力を備えた各大学と産業提携した企業は、今後の発展が期待されるので、市でも企業の抱える課題を発展につながるよう努力してほしいと考えています。行政が企業とともに歩むのは現今では当たり前のことで、ひところのようにわいろに結びつくような話ではありません。このことについて当局のお考えをお伺いします。  今回の大震災で地盤の脆弱な地域がわかった一方、堅固な地盤を持つ地域も判明しました。広瀬川に沿った沖積層の河岸段丘が、それであります。底石がかたく、積み重なってその上に砂れき、そして表土と重なった地盤は堅固そのもの、今回の大地震で水道がとまらなかった事実、それが何よりの証拠であります。市役所も、その地盤の上に建っています。これは、すばらしい仙台市の財産であるといっても過言ではありません。場所は限られるかもしれませんが、そのような地域は市街化調整区域から工業用地へと用途変更し、企業が安心して進出できるようにするべきだと考えます。それが、地域の発展や雇用促進などに貢献できればさらによいです。地盤の差と産業の立地について当局のお考えをお伺いします。  市の復興を支える産業の振興に山の手新都心構想の再検討について伺います。  被災地の方々の心に立ち上がる気力を奮い起こすのは、何といっても子供たちの元気な顔、声、姿であります。被災地に限らず、大震災の傷跡を修復するには、子供たちが生き生きと活動するのが一番の心の支えであります。ところが、学校の校舎を初め市の施設は至るところで損壊し、早急に修理修繕する見通しを立てるのは困難な状態であります。また、避難所として利用しているところもあって、当分、学校としての利用が制限されています。給食も半分は簡易給食で、子供たちが活動する場所もごく限られてしまっています。この深刻な事態がいつ解消できるか、当局のお考えをお伺いします。  私は昨年、第二回定例会で山の手新都心構想について申し上げ、将来の見通しとその実現の期待を要望したところです。このたびの大震災で愛子地区は地盤が盤石であることが証明され、ここに施設を設置するのは極めて安心・安全で、結果として安価な投資であることが判明し、だれもが認める一等地であることが証明されました。こうなると、山の手新都心構想は単なる夢ではなくて、今すぐにでも手がけられるものだということを明言したいです。地元のOB議員が提唱した仙台市の情報バックアップ基地を地盤の堅固な宮城地区に設置したらどうか、これも真実味が深まってくるのではないでしょうか。先々を見通したこの構想について当局のお考えをお伺いします。  現在の松原工業団地には時代の最先端を行く企業が集中していますが、新しい発想によるその計画の中で、現在の宮城広瀬総合運動場は将来総合アリーナに統合して、その跡地に工業団地を造成し、さらに二岩より西の上愛子地区全体を総合的に産業育成の場とする観点から、市街化調整区域の撤廃を提言します。そして、浜寄りに立地した企業や産業施設を優先的に誘致して、各大学との産学協同による技術の高度化を進め、地域振興策を兼ねて雇用促進を進め、仙台市の復興に役立てられれば、これに越したことはありません。今なら新計画の機運を高め、推進するよい機会ではないかと考えます。  同時に、道路網を整備して松原工業団地と大和、大衡地区を直結して物流を盛んにすれば、産業復興から進んで産業振興に役立つものと考えます。愛子地区に高度な技術を持つ企業の育成の場を提供することについて当局のお考えをお伺いします。  以上で私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの加藤和彦議員の御質問にお答えを申し上げます。  大震災を踏まえての今後のエネルギー供給のあり方に関するお尋ねでございました。  今回の大震災では津波の被害により、沿岸部に立地する発電所などエネルギー関連施設の多くが被災をしました結果、震災復旧に向けた都市の活動のみならず、市民の皆様の生活や企業活動においても重大な支障を来したところでございます。エネルギー調達のあり方が大きな課題として浮き彫りになり、その教訓を踏まえ、震災復興ビジョンにおきまして、省エネルギー環境先進都市を目指す方針を打ち出したところでございます。  原発事故に起因しますその後のエネルギー転換の議論も踏まえますと、太陽光などの自然エネルギーを利用した分散型発電の活用は、今後幅広く取り組みが進められるものと認識をしてございます。大津波によります塩害や地盤の沈下などの被害が深刻な東部地区の再生に当たりましては、大規模圃場の整備や農業経営形態の見直しによる効率化など、農地としての再生を基本としつつ、御提案のようなエネルギーの創造も可能となるモデルタウンとしての復興を目指してまいりたい、このように考えてございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、太陽光発電の活用及び被災された方への生活支援に関する御質問についてお答えいたします。  初めに、太陽光発電の活用に向けた四つのポイントに関するお尋ねでございます。  まず、県の復興計画に関するお尋ねでございますが、御指摘のとおり、宮城県におきましても本市と同様に太陽光発電の推進を目指しているところでございます。宮城県との連携を図ることは非常に重要であるものと認識しているものでございます。  また、用地の確保に関するお尋ねでございます。  太陽光発電の大規模施設整備に当たりましては、その用地の確保に地権者の意思統一も重要な要素になるものと認識いたしております。検討に当たりましては、地権者の皆様や農協など関係者との合意形成や、そのためのまとめ役などが必要になるものと存じます。  第三に、実施主体となる企業についてでございますが、事業化に向けましては、意欲と実行力のある企業が経営に当たっていくことが望ましいものと考えております。  第四として、系統の安定化に関するお尋ねでございます。  技術的には、電力会社と接続した場合の電圧や周波数の調整など、御指摘の点がポイントになるものと認識をいたしております。  また、太陽光発電の普及に関してのお尋ねがございました。  最初に、国の制度改革に関するお尋ねでございます。太陽光発電の普及に向けましては、御指摘の全量固定価格買取制度など、一定の売電メリットが生ずるような制度設計の可否が重要なポイントになるものと認識いたしております。現在、国において制度化が検討されていると伺っておりますが、この動向にも留意してまいりたいと存じます。  次に、発電設備の低価格化等に関するお尋ねでございますが、特に家庭への普及などにつきましては、製品の低コスト化や高性能化など製品への技術革新がかぎになるものと認識いたしております。  次に、本市の姿勢に関するお尋ねでございます。  今般、震災復興ビジョンにおきましては、自然エネルギー利用推進の姿勢をお示ししたところでございます。今後、御指摘の点も含めまして、さまざまな課題を精査し、宮城県などとの連携も図りながら本市経済の活性化を創出し、新しいエネルギー源となる太陽光発電の導入の可能性について検討を進めてまいりたいと存じます。  続きまして、避難者の生活支援に関する数点の御質問にお答えいたします。  最初に、避難所における食事の提供の件でございます。これまで、他の地域からの炊き出しの支援あるいは避難所運営委員会とも協議しながら、弁当だけではなく温かい汁物の提供を行ってきたところでございます。また、必ずしもすべての避難所で行うことはできませんでしたが、食事の材料を提供して自炊することも行ってきております。これまで、できるだけ避難所で生活している方々の希望に沿うような形で実施してきたところでございます。また、一部の仮設住宅におきましては、臨時職員を仮設住宅の集会所に配置し、入居されている方の相談に対応しているところでございます。  今後につきましては、高齢者の方など支援が必要な方もいらっしゃることから、支援体制につきましては、民生委員児童委員の活動の強化や、NPOなどと連携しながら、入居者の状態に応じた支援に取り組んでまいりますとともに、御指摘のありました食生活に関しての指導が必要な場合にありましては、栄養士を派遣し、食の改善に向けた指導も含め、行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 7: ◯総務企画局長(藤本章)山の手新都心構想に関する御質問にお答えいたします。  宮城地区につきましては、JR仙山線や仙台西道路などにより市内中心部へのアクセスにすぐれておりますことや、周囲に豊かな自然環境がございますことなどから、商業、業務機能の整備とともに人口の増加が進んでいる地域であると認識いたしております。  新たな基本計画におきましては、このような地域特性を踏まえまして、今後とも良好な住環境を有する地域としてまちづくりを進めることといたしておりますが、宮城地区における将来を見据えた御提言の視点も大切にいたしながら、さらなる発展につなげてまいりたいと考えているところでございます。 8: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、在宅被災者への支援についてお答えを申し上げます。  これまで高齢者、障害者につきましては、地域包括支援センターや関係団体等の協力により、安否確認や必要な情報の提供や支援を行ってまいりました。また、津波被害の地域の方々につきましては、ほかの自治体の応援をいただきながら、区役所の保健師が家庭訪問により健康状態を確認し、必要に応じて相談窓口や被災者支援のサービスを紹介するなどの支援も行ってまいりました。  今後は、津波被害以外の地域におきましても、地域包括支援センターや民生委員などの協力を得ながら、家庭訪問や電話連絡等により健康相談や必要な情報の提供等を行い、被災者が在宅でも安心して暮らすことができますよう取り組んでまいります。  以上でございます。 9: ◯経済局長(高橋裕)私からは、中央卸売市場産業復興支援策、災害に強い産業の立地についての数点のお尋ねにお答えいたします。  まず、中央卸売市場における食品の安全性確保についてでございます。本市場で取り扱う食品は、宮城県を初め出荷地において専門機関による放射性物質の検査を受けており、安全であると認識いたしております。  農水産物の安全性の確認につきましては、出荷地において検査を行うことが最も効果的でございますので、今後とも検査頻度や品目のさらなる拡大等につきまして宮城県に強く働きかけるとともに、市場内の卸売業者等に対し出荷規制や検査結果に関する情報を随時提供するなど、食の安全・安心の確保に向け適切に対応してまいりたいと考えております。  続きまして、産業復興支援策のうち企業の資金調達及び企業の立場に立った支援方策、経済回復に向けた当面の取り組み、将来に確実に結びつく観光業、小売業への支援、事業者への支援のあり方についてでございます。  このたびの震災を受けまして、三月十八日から仙台市産業振興事業団や商工会議所など十団体によります合同相談窓口を開設しまして、資金繰りや従業員の雇用問題など、五月末までに延べ千二百件の相談を受けたところでございます。  今後は、窓口での相談だけではなく、専門家派遣事業や御用聞き型企業訪問などにより企業に出向き、状況やニーズに応じた的確な支援を行ってまいりたいと考えております。  震災後の緊急ヒアリング調査において把握した本市経済の被災状況を踏まえ、今般、集中経済施策を実施することにいたしました。  第一に、被災企業が早期の事業再建を進めるためには、負担の少ない借りやすい融資制度が重要と考えておりまして、保証協会が一〇〇%保証する融資制度、あるいは利子及び保証料を補給する制度を創設し、対応いたします。被災企業に対する制度は宮城県や日本政策金融公庫などにおいても設けておりまして、それぞれの実情に応じた利用がなされるよう金融機関とも連携しまして、円滑な資金調達に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  第二に、現地で工場を復旧する際の支援制度についての問い合わせも多く寄せられましたことから、新たに製造業の現地での復旧に対する補助制度を創設いたしました。これまでも、県内に立地する企業の事業拡大が本市経済へ波及することなどから、御用聞き型企業訪問、寺子屋せんだいを初めとした各種セミナーなど、市外企業も含めて支援を行ってきたところであり、引き続き幅広く企業を支援してまいりたいと考えております。  第三に、大きく減少した交流人口の回復を目指し、緊急対策として国際会議の誘致や六魂祭等のイベントの開催、全国キャラバンなどの取り組みを進めております。短期的な取り組みだけでなく、東北全体の連携を深め、点在する観光資源を有機的につなぎ、東北独自の魅力の創出や情報の積極的発信に努めるなど、将来的な展望を持って観光産業の振興に取り組んでまいります。  今後とも、相当の期間、支援を継続する必要があることや、事業者の皆様のニーズも時間の経過に伴って刻々と変化していくことから、適宜、状況を把握しつつ、中長期的な視点も含めた経済支援策を間断なく実施してまいりたいと考えております。  続きまして、被災農業者の将来についてでございます。  農家の意向調査によりますと、営農意欲は専業農家では高い割合となっておりますが、兼業農家を含めますと六割程度となっております。営農意欲の高い農業者につきましては、担い手として営農再開に向けた各種支援を行うとともに、兼業農家や高齢者の方々につきましてもそれぞれの状況に応じまして農地の賃貸、集落営農組織での労力提供、市民農園の開設、畑作への転換等、多様なメニューを提示しまして、意向を伺いながら被災農業者の支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、製鉄業者への働きかけについてでございます。  現在、瓦れきの撤去、処理につきましては、可能な限りリサイクルに努めることとし、鉄くずのリサイクルにつきましても、おおむね現状で処理が可能な状況であると伺っております。  今回、閉鎖が決まった製鉄業者につきましては、世界的な競争激化の中でやむを得ない判断と考えておりますが、港湾地域における大規模製造業は地域経済の活性化にとって重要と位置づけておりますことから、今後とも可能な限りの支援を行ってまいる所存でございます。  続きまして、災害に強い産業立地のうち、市内の工業団地の配置、産業立地と土壌、地盤並びに宮城地区への産業集積についてでございます。  製造業の立地につきましては、地盤はもとより物流インフラや従業員の通勤の便のほか、関連する産業群の大規模な集積など、さまざまな要素により決定されるものと認識いたしております。  こうした観点から、本市東部地域におきましては、交通インフラ整備の歴史的経緯や大規模な平地が確保できるといったことから、揚水対策などを行いながら、製造業を初めとした産業の集積を促進してきておりますが、近年、東北自動車道などの交通インフラの整備が進み、内陸部の宮城地区や泉地区への先端産業や物流業などの立地を誘導してきたところでございます。  震災後の市内の製造業や物流業の配置につきましては、生産や物流の効率や地盤といった企業の立地環境のみならず、物流ルートの多重化など、災害時を含めた全市的な視点を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。  最後に、製造業等への支援のあり方についてでございます。  本市及び本市近郊に集積しております大手製造事業所は、地域経済において重要な中核的役割を果たしているものと認識いたしております。これらの企業が円滑に操業できるよう、産学連携や人材採用への支援、地元企業とのマッチングなどさまざまな支援を行うとともに、地域経済との関係強化に向け、中小企業への技術支援を含め、製造業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
     以上でございます。 10: ◯教育長(青沼一民)私からは、教育に関する御質問のうち、まず、学校給食についてお答えいたします。  最初に、牛乳の安全性につきまして、学校給食で提供しております牛乳は宮城県産でございますが、宮城県で実施している放射能測定において国の暫定指標値を大きく下回っており、安全性に問題はないものというふうに認識しております。  次に、完全給食の再開についてでございます。  被災した施設の復旧に合わせ、五月から順次完全給食を再開しておりますが、一部の給食センターにつきましては復旧に時間を要しております。この間、パンや御飯、牛乳といった主食中心の給食を提供しておりますが、おかずが未提供であることから、本来必要とされる栄養量を充足していない状況でございます。  このため、本市といたしましては、一日も早い給食センターの再開に向け修繕工事を急ぐとともに、献立作成や食材の調達などの準備を進めてまいりました結果、七月初めにはすべての給食センターが再開し、おかずの提供もできる見通しとなっております。  続きまして、教育施設の復旧に関するお尋ねでございます。  今回の震災による被災は全校にわたっておりますが、中でも被害が大きい学校の校舎につきましては修繕に複数年を要しますことから、そのような学校は仮設校舎の建設を進めており、十一月ごろの完成を目指しております。また、その他の現在使用できない教室や体育館などにつきましても、順次復旧を進めていくこととしております。  議員御指摘のとおり、学校を子供たちの笑顔と元気な姿にあふれる場とすることが最も重要なことと認識しておりますので、現状においてもさまざまな工夫を行いながら、一日も早い復興を目指してまいりたいというふうに存じます。  以上でございます。 11: ◯議長(野田譲)次に、横田匡人君に発言を許します。     〔十五番 横田匡人登壇〕(拍手) 12: ◯十五番(横田匡人)議長より発言のお許しを得ましたので、これより一般質問をさせていただきます。  ここに改めて、このたびの震災により被災をされました多くの市民の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げるものでございます。また、一方においては、そうした被災地域の皆様のための復旧の作業に、本日、今なお当たっておられる各関係の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げるものでもございます。このたびの震災により破壊された市民の日常生活が一刻も早く再建がなされることを強く願い、震災に関連した諸課題等、順次お尋ねをしてまいります。  損壊家屋等の解体、撤去事業について伺います。  この事業は、今回の震災により家屋等に甚大な被害を受けられた物件などに対し、仙台市が解体、撤去を行うものであります。対象として本市が国に補助支援を求めてまいりましたのは、震災直後の応急危険度判定などにより余震の発生時に再び大きな二次被害を受ける可能性を指摘された物件などが主であり、その被害の大きさと倒壊の危険性から一刻も早い国や行政による撤去作業の実施が強く求められた経緯がございました。  しかし、その後の先月五月の十七日に事業実施の決定は見たものの、その時点においては、もう既に二次災害の防止や復旧活動への妨げにならぬようにと、混乱の中いち早く尊い自助努力によって、解体の作業に着手した物件や撤去作業を終えてしまったものは含めないという、何とも被災地における切迫した状況や、仙台市が求めた主張要望を正しく理解をしていただいていないのではと思わせる、実に中途半端な判断でありました。  しかし、ようやく所管する環境局の熱心かつ被災市民の心情に寄り添った要望活動などにより、先日、自費により先行して行った物件をも対象にすることが決定されたことで多くの方々が安堵されたことと思います。  さて、七月の一日より取り扱いの受け付けを開始するとのことでございますが、ただいま申し上げましたように、公費による解体、撤去が実施すると決定される前の取り組みであることから、契約の形態や支払いの状況、また対象となる物件とそうでないものとが混在するもの、また親子など名義人が異なるものなど、恐らくさまざまであるのではと想像されますが、取り扱いのスキームなど、どのような受け付け、対応をされていくのか伺います。  また、既に解体、撤去をされた方々には、今回の追加決定によりみずからがその対象となることの情報が、転居やさまざまな事情から届かないということが起きなければと懸念いたします。今後、解体、撤去に関係されたと思われる業界等に呼びかけるなど、情報提供は行うのでしょうか。  また、同様に被災物件を所有した中小経営者の皆様にも商工会議所等の団体を通じて告知をするなど、二重、三重の発信をすべきではと考えますが、御所見を伺います。  今回の損壊家屋の解体、撤去事業を本市が公費を用いて円滑に進めることにより、被災者の今後の復旧、再建活動のようやくスタート台に立つことができるものと考えます。市長初め、環境局、財政局の取り組みに被災地域の声を預かる立場から率直に感謝を申し上げ、今後の取り組みに御期待を申し上げるものでございます。  次に、災害時における応援協力協定について伺います。  冒頭に申し上げましたとおり、本日、今現在も本市、仙台市との災害協定のもと、復旧、救助活動に従事されておられる関係団体、協力業界の方々がいることは本当にありがたく、その存在はだれもが承知のことで申し上げるまでもございません。  こうした災害時における応援、協力の協定を本市と締結をしている団体、企業などは、自治体間におけるネットワーク組織も含めますと、実に全部で百十五団体であると伺います。災害協定の内容は当然ながらさまざまでありまして、地方自治体の組織する相互応援型の行政支援から、放送媒体各社による災害情報の伝達協定、また緊急災害対応や復旧作業の担い手となる地元建設業を初めとする各専門技術職団体や専門工事業の業界団体、また仙台市医師会等の医療や福祉分野の関連団体、さらにはスーパー、コンビニエンスなどの各大手流通グループなどであります。  いずれもその多くは専門性や技術、対応ネットワーク力を生かし、被災直後から御協力をいただいているものと存じますが、震災後三カ月以上が経過し、初期の復旧に一つの節目が来たとするならば、今改めて関係団体などに感謝の気持ちをあらわすと同時に、今後一層の協力関係を構築する意味からも検証の作業をすべきではと考えます。いかがでしょうか、御所見を伺います。  中には、大災害ということの事情から、思うように連携が図れなかった分野もあるのではと考えるからであります。しかしながら、民間の企業、団体に支援協定を結んでいただいているのだと考えますときに、申し上げづらいこともありますが、ここはあくまでも今後の良好かつ発展的な協力関係を望むことを前提に、あえて実例を申し上げたいと思います。  それは、大手コンビニエンスストア業者との災害協定であります。まずは、そもそも災害時においてどのような支援協力要請を願う協定だったのでしょうか伺います。あわせて、協定締結の経緯など伺いたいと思います。  震災後の混乱期とはいえ、長期間、店舗の全面を紙で覆い隠したまま、なかなか生活物資の販売を再開いただけない状況が続き、その異常な店舗の装いには、利用を希望する周辺の住民から、まるで泥棒扱いをされているようだとの声も聞かれるほどでありました。恐らく本来は、高次な流通ネットワーク力を生かし、飲料水などの提供をいただく想定にあったのではと考えるものでありますが、いかがだったのでしょうか。具体的な協定内容あるいは期待をしていたものはどういった内容であったのか、御説明を願います。  各店舗の従業員さんなどの判断では、残念ながら自由な営業ができなかったのだとの話もあり、もちろんコンビニエンスに極端に依存し過ぎる生活は、防災上の観点からもこれはまたいかがなものかとは思いますが、事実として避難所へ多くの若い世代が殺到したことや、ふだんは手軽に入手できた飲料水などを求める声が多かったことを考えますと、混乱の背景や一因がここにもあるのではと思うからであります。今後の課題としてさらなる協力が可能か否か、相互検証をすべきではと考えますがいかがでしょうか、御所見を伺います。  次に、震災復興時に予想される高齢者の住宅課題についてお尋ねをいたします。  今回の震災は、我が国がいかにして少子高齢化時代を社会全体として国を挙げて克服するのか、その道筋をはっきりと示すことができずにいた中に発生をし、また地域的にいうならば、最も高齢化率の高いとされる東北の三県を襲ったといえます。  震災の復旧、生活の再建、そして目指すべき復興の姿を見出すのには国民的な議論を踏まえつつも、より早い取り組みが重要であることは論を待ちません。そしてまた、一方において必要なことは、いわば急がば回れ、つまり感情的、情緒的になり過ぎることから、政治や行政が冷静さを失い稚拙な政策判断を行うことにより、これまで積み上げてきた地域の風土やそれに即した制度、また規範、秩序といったものをないがしろにした場当たり的な施策を講じたのでは、後に震災の傷跡以上の禍根を残し、引きずる心配もあるのではと考えるからであります。  私は、こうした視点から考えますときに、今後増大することが予想される高齢者福祉に対する要請、特に震災の影響から、高齢者の住宅、暮らしのあり方、生活環境をいかに良好かつ安全に確保し、維持していくかが喫緊の課題であるとの考えのもとに、以下、お尋ねをいたします。  政府はこのたび、高齢者住まい法の改正法を四月の二十八日に公布いたしました。この制度を端的に申し上げれば、これまでの高円賃並びに高優賃、そして高専賃の制度をすべて廃止し、今後は一本化したサービスつき高齢者向け住宅制度で対応するというものでございます。  この新制度について、本市はどのような制度内容であると分析をされているのでしょうか。制度の概要と本市の制度に対する受けとめ方を伺います。  この制度は国の制度でありますから、もちろん全国一律の事業ではありますが、国土交通省の見解によれば本市も含む被災三県を優先的に整備をするようであります。一見すると、新制度が高齢者住宅ニーズに加え、今後見込まれる被災地の高齢世帯に対して朗報であるようにも受け取れますが、果たして手放しで喜べる内容であるかどうかは少々不安もありまして、もろ刃の剣にならないかと思われる節がございます。  それはつまり、これまで高齢者向けの住宅提供事業や老人ホーム、また介護サービスが附帯した高齢者施設など、形態や特性はさまざまではありますけれども、いずれのタイプもある意味で行政の厳しい審査や指導のもとにその品質と信頼を勝ち得てきたといえます。  しかし、今回のこのサービスつき高齢者向け住宅事業はサービスつきとはうたってはいるものの、その内容は緩やかで、少なくとも安否確認と生活相談サービスを提供せよとの程度しか示しておりません。サービスの頻度や内容といったものは、特に求めていないのであります。  そうした点から、大変に参入しやすいというメリットもあるかもしれませんが、一方では先行する優良な老人ホームなどの高齢者施設とのサービスの品質の違いや、介護、医療機関との連携関係の有無、また、そもそも事業者としての専門性の格差などから入居後のトラブルなどに発展しないものかと懸念されます。この点についての御見解を伺います。  また、認可登録先は都道府県、政令市の長とあり、今後、県や仙台市において、それらの心配に対し、どのような独自の登録基準を設ける方針をお持ちなのかお尋ねをいたします。  関連をして、本年度、高齢者施設、介護サービス施設等の公募スケジュールが、昨日公表されました。震災の影響から、本来、量的な施設整備が求められる状況の中、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの公募を本年度は行わないとのことであります。直ちには理解ができませんが、判断に至る経緯など御説明を求めたいと思います。  最後に、国連防災世界会議の誘致について伺います。  四年後の平成二十七年に開催される国連防災世界会議の仙台開催に向けた誘致を行うことを市長は先月表明をされました。私は、この決断と今後の誘致活動を強く支持をし、微力ながら、あらゆる、いわば議員外交手段を駆使し、国会関係者及び国内他都市の友好議員の方々にも理解と支援を呼びかけてまいりたいと考えております。  今現在の誘致活動方針を、公表できる範囲で結構でございますので、御説明を願いたいと思います。  開催の決定については、平成二十五年の国連総会において正式に決定がされるとのことでありますが、現在、他国からのエントリーなどはどのような状況になっているのか、情勢とあわせてお尋ねをいたします。  政府内担当の内閣府、東副大臣は、衆議院議員に当選をされる前は国連機関に勤務をされていた経験をお持ちの国際派であられます。積極的に指導を仰ぎ、国内外に対し、ありとあらゆる手段を用いてかち取るべきであり、後戻りや成り行き任せの誘致レースは許されません。仮に誘致につまずくことがあれば、原発事故の風評などをあおり、防災会議誘致自体が国際社会に対して震災復興どころか逆のメッセージとして伝わる心配があるからであります。改めての御決意など市長の御所見を伺います。  以上、お尋ねをいたしてまいりましたが、市長並びに御当局の明快な御答弁をお願いし、私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 13: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの横田匡人議員の御質問にお答えを申し上げます。  国連防災世界会議に関連する数点のお尋ねについてでございます。  東北の復興を世界が注視する中、国連防災世界会議を誘致し、仙台が新しい次元での都市防災への取り組みを着実に進めていることや、またさまざまな分野において再生と復興の歩みが具体の形となってあらわれていることを各国からおいでになる皆様方に直接ごらんいただきますことは大変重要なことと認識をいたすところでございます。  現時点におきましては、仙台のほかに会議開催の具体の意思表示をしている都市はないとお伺いしているところでございますが、会議開催が平成二十五年の国連総会において決定される予定となってございますことから、仙台における開催決定に向けまして国との連携をさらに密にしてまいる考えでございます。  来年、高級実務者によります準備会合の日本での開催が検討されていると伺っておりますことから、これを絶好の機会ととらえ、東北各地の御理解もいただきながらPR活動に努め、仙台のみならず東北各地が復興に向け懸命に取り組む様子を世界じゅうに向けましてアピールできますよう、積極的に取り組んでまいる決意でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 14: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、高齢者施設等の公募に関するお尋ねについてお答えを申し上げます。  御指摘の特別養護老人ホームにつきましては、昨年度前倒しで公募を行い、高齢者保健福祉計画の整備目標である五百床を上回る五百三十床分の施設の整備計画を選定いたしましたほか、介護老人保健施設等につきましても既に計画目標数に達していますことから、今年度の公募を予定していないところでございます。  一方、今回の震災におきまして、援護を必要とする高齢者の増加も見込まれますところでございます。今後行う予定のニーズ調査の結果も踏まえながら、今年度策定する次期高齢者保健福祉計画に整備目標を盛り込み、来年度の早期に公募を行うことにより、引き続き着実な整備に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 15: ◯環境局長(萱場道夫)自費により家屋解体を行った場合の取り扱いと制度の周知につきましてお答えを申し上げます。  今回の制度の運用に当たりましては、本市が直接施工をする場合とのバランスに配慮いたしまして取り扱いをいたしてまいりたいと考えております。  申請される事案に関しましては、解体業者との契約の範囲や保存されている書類が異なるなど、先ほど御指摘いただきましたようなさまざまなケースが想定されるところでございますが、受け付けに際しましては、お一人お一人との相談に十分な時間を確保いたしまして、個々の状況を把握しながら適切に対応してまいる所存でございます。  次に、制度の周知についてでございますが、今後、被災者支援の広報紙や市政だよりにおきまして、本件制度につきまして掲載を予定しているところでございます。さらに、御指摘のあった解体事業者や建設事業者の業界団体などに対しましても制度の概要をお知らせいたしまして、関係する市民の皆様、中小企業の皆様に対しまして周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 16: ◯経済局長(高橋裕)コンビニエンスストア業者との災害協定につきましてお答えいたします。  生活物資に関する災害協定につきましては、現在コンビニエンスストア業者一社を含む十三社と締結しておりますが、コンビニエンスストア業者とは、全国的な物流ネットワークを活用した物資の提供について協議を行い、平成二十年二月に協定を締結いたしました。  協定の内容は、避難所等への物資の調達を目的としまして、本市の要請に基づき食糧品、衣類、日用雑貨などを集積拠点に搬送していただくものとなっておりますが、今回の震災におきましては、配送センターの被災による物流機能の麻痺などにより物資の提供をいただけない状況にございました。  店舗を有する協定締結業者に対しましては、震災発生直後から物資の提供とともに早期の営業再開の要請も行ったところでございますが、今後、今回の諸課題を踏まえ、コンビニエンスストア業者との協定に限らず、その内容等につきまして相互に検証するとともに、広域的な視点あるいは相当程度物資を保管している事業者との連携など、被災の状況に応じた、より効果的な物資調達のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 17: ◯都市整備局長(高橋秀道)高齢者住まい法の改正についてお答えをいたします。  今回の改正は、高齢者の居住の安定を確保するため従来の高齢者向け住宅の三つの施策を一本化するとともに、これまでのバリアフリー化や緊急通報設備等のハード面に加え、ソフト面としての安否確認や生活相談等のサービス提供を義務づけるものでございます。本市といたしましては、制度のわかりやすさと高齢者向け住宅のサービス水準の向上を図ることを目的としたものであるものと認識をしてございます。  次に、サービスの品質と独自の登録基準に関する御質問にお答えいたします。  サービスつき高齢者向け住宅に義務づけられている安否確認や生活相談のサービス提供においては、一定の品質と専門性の確保が大変重要と認識しているところでございます。基本的には、現在、国におきまして策定中の登録基準により確保されるものと考えておりますが、国の動向を見きわめながら必要に応じて独自基準の設定を検討するなど、良好な高齢者向け住宅の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯消防局長(高橋文雄)応援協定の検証についてのお尋ねにお答えいたします。  今回の震災におきましては、災害協定に基づき、発災直後から宮城県解体工事業協同組合、仙台建設業協会による津波被害地区の道路上の瓦れき排除、いわゆる道路啓開に従事していただいたことによって多くの被災者が救出された事例を初め、さまざまな団体からいただいた御協力は多くの感謝が寄せられているところでございます。  一方、協定先そのものの被災や燃料不足などによりうまく機能しなかったものがあるなどの課題も見受けられましたことから、今回の震災を受けまして、協定の実効性がさらに確保されるよう、それぞれの検証や改善はもとより、新たに協定の必要があると認められる団体との締結につきましても鋭意検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 19: ◯議長(野田譲)次に、佐藤正昭君に発言を許します。     〔四十一番 佐藤正昭登壇〕(拍手) 20: ◯四十一番(佐藤正昭)改革フォーラムの佐藤正昭でございます。  アメリカ合衆国の一部メディアでは、今回の大震災を「The Sendai Earthquake」や「2011 Sendai Earthquake and Tunami」と報道され、仙台市全体が大災害を受け、復興することができないのではないかとの印象を受けている面も多々ある深刻な事態であります。  仙台はどうなっているんだ、東北は大丈夫なのかと、世界の人たちが心配をしてくれています。日本は世界経済分野でも苦戦を強いられ、人口も減り続け、このまま右肩下がりでずるずると、この東日本大震災を契機に階段を転がり落ちるがごとく三流国に落ちぶれていくのではないかとさえ、今の菅政権を見ていると思えるのは私だけでしょうか。  二重債務の解消や集団移転、宅地災害復旧などに政府支援が必要です。だが、お金以外でも規制緩和や法律の柔軟な運用など、政府がやれることは山のようにあるのに、余りにも取り組みが遅過ぎます。  日本国は、苦しくても凛として東日本大震災から東北の住民を立ち上がらせて復興をなし遂げなければ、世界からやはり日本はだめだと見放されてしまうのではないでしょうか。世界が日本を注視しております。  先月、東京で外国人投資家の皆さんとの会合があり、その際、外国人からは、今世界で一番有名な都市は仙台ですよ、世界じゅうの企業や投資家が仙台を注目していますよ、仙台、東北をみんな知っていますよ、でももっと有名になったのは福島ですよとの声が聞かれました。  この東日本大震災のピンチは、ある意味、今後の仙台市にとって大きなチャンスでもあります。これだけ世界に仙台市が知られたことはないのです。後ろを向くよりも前を向いて果敢にチャレンジしていく、発信していくことが大切であると考えますが、百五万市民の代表である市長はいかがお考えになりますでしょうか、お伺いいたします。  ところで、奥山市長、三月十一日の大震災以降、私は市民の皆様からたびたび、市長の顔が見えない、奥山さんはどこで何をしているんですかねと言われております。どうしてなのでしょうか。これは、市役所全体の発信力、広報力の弱さではないかと考えますが、いかがお考えになりますでしょうか、あわせてお尋ねをいたします。  本市は、他都市に比べれば順調に復旧が進んでいるのではないかと思われますが、仙台市は東北の母都市として、東北のリーダー都市として、近隣市町村への思いやりをもう少し持つべきと考えますが、いかがでしょうか。  近くの市町村が困っていることの相談に耳を傾けられたらと思いますし、一歩踏み出すべきだと考えます。瓦れきの処理についてや生活ごみの焼却、仮設住宅や民間借り上げ住宅への入居など、仙台が果たすことのできることは多いのではないでしょうか。これから月日がたつにつれ、仕事や住宅が他地域よりも充足している仙台市に住みたい人は、若年層を中心として多くなってくるはずであります。仙台市がリーダーシップを発揮して、復興を牽引していくことがなおさら求められるのであります。  アメリカ軍がお友達作戦なら、仙台市は近隣市町村に対して、非常事態だからこそ互いに助け合い協力していく、お互いさま協力ができるのではないでしょうか、お伺いをいたします。  民間借り上げ住宅についてお尋ねいたします。  まず最初に、本市が受け付けをしている民間借り上げ住宅の申込者数と入居者数についてお伺いいたします。  政府がなかなか認めなかった、自力で確保した民間賃貸住宅については、議会や当局が宮城県を通じて国に要望したことから、災害救助法上の応急仮設住宅として認められることになったのであります。しかしながら、現実的には宮城県と大家さんと被災者である入居者の三者契約に切りかえる手続が、煩雑さのため時間を要する結果となっています。また、この手続の煩雑さが大家さんや被災者にとっても大きな負担となっておりますが、この問題を根本的に解決するには災害救助法の現物給付の原則を見直し、現金給付に改める必要があります。この制度の見直しについては今後に譲ることとしますが、今早急に取り組むべきことは民間借り上げ住宅の切りかえの手続を迅速に進め、被災者が一日も早く生活再建に向けて踏み出すことができるよう取り組むべきと考えます。  そこで、被災者が入居物件を自分で見つけて市に届けてから正式に入居決定されるまで、これまではどれくらいの時間を要したのか伺います。また、その期間を短縮するためにどのような取り組みをしているのか、あわせてお尋ねをいたします。  現在は入居がなされてから、日赤からの家電六点セットと仙台市等からの日用雑貨、消耗品など支援物資が届けられますが、これがまた時間がかかる。せっかく住宅が決まっても、すべてを津波で流された方も多い中、家電六点セットや仙台市からの生活物資が来ないため生活することができないので、避難所生活を続けざるを得ない方々が数多くいるのです。一日も早く避難所を出て生活再建のスタートを切りたいと思っても、義援金も支援金も来ない、生活物資も来ないのでは普通の生活には戻れないのです。日赤の家電六点セットや仙台市からの支援物資はいつになったら届くのでしょう。これからはどのように対処していくのでしょうか、お伺いをいたします。もっと民間の知恵や力を活用したら、スムーズに物資が行き渡るのではと考えます。  新時代に対応した産業の再生についてお尋ねをいたします。  ヒステリシス現象とは物理学の用語で、ある状態に力を加えて変化させると、後から逆側の力を加えても最初の状態まで完全に戻ることはない現象を指します。伸び切ったばねが元には戻らないのと同じです。  かつて日本は、一九九五年の阪神・淡路大震災の復興過程でヒステリシスを味わいました。市街地の再建を中心とする復旧作業に追われている間に、神戸港の修復がおくれ、国際ハブ港としての役割を韓国釜山港に奪われてしまい、被災地の産業基盤の空洞化を進めてしまった苦い経験があります。復旧の優先順位を間違えたり、いたずらに時間をかけ過ぎると、もともとあった産業競争力を取り戻すことができなくなります。
     東北の母都市である仙台は、あらゆる面で影響が甚大であります。阪神・淡路大震災のようなヒステリシス現象に陥らないために、市はスピードと総合調整能力が必要であります。現時点での仙台市の対応策と産業の再生方策について市長の御所見をお聞かせください。  次に、第一次産業についてお尋ねをいたします。  大震災で津波の影響を受けた、特に若林区、宮城野区の農地は、復旧・復興までかなりの時間を要するものと考えられます。この機会に、東部地区を太陽光を中心とした再生可能エネルギーを有効活用した水耕栽培などにより、十年後、二十年後を見通した世界に発信できる次世代型農業に再生していくことが求められます。あわせて、特に意欲のある若手営農者が中心となり、農業経営の集団化や法人化、さらには農商工連携など、六次産業化への挑戦の場となるような取り組みが必要と考えますが、市は仙台農業の将来ビジョンをいかがお考えになりますでしょうか、お伺いいたします。  漁業、水産業についてお伺いいたします。  漁業については、本県の石巻や気仙沼等、県北部の沿岸地域において、漁船はもとより漁港や加工、冷蔵施設、さらには養殖棚等、多くの施設や機械が壊滅的な被害を受けたことが連日大きく報道されておりました。県全体の漁業振興や被災された多くの漁業関係者の方々のためにも、一日も早い復旧・復興が望まれるものであります。  こうした中、本市においてもアカガイなどの沿岸漁業を初め、ノリ養殖等を営んでおりました漁業者の皆様が、他の地域と同様に漁船等に壊滅的な被害を受けたと伺っております。  本市における被害状況はどうだったのでしょうか。特に専業で漁業に従事されている方々の人数と、現在どのように生活されているのかお伺いをいたします。  また、漁業におきましても、農業同様に再生までの相当な時間と漁船や漁具等を調えるための多額の資金が必要となります。漁業、水産業の再生については、漁業法に基づいて地元漁協に沿岸部で優先的に付与されてきた漁業権を民間企業に開放し、民間資金の導入によって漁業者の事業再建や近代化を推進する村井宮城県知事の水産業復興特区構想だけに注目が集まっておりますが、被災した漁業者の生活再建と水産業の再建のため、一日も早い再生の道筋が描けるように応援をしていきたいと考えますが、市としても今後必要な対策を講じなければならない場面も出てくるものと認識をしておりますが、本市のこれまでの取り組みを含め、どのような対応をしていくお考えなのかお伺いをいたします。  次に、地震や津波により壊滅的な被害を受けた東部地域には寺院が五カ所、共葬墓地が三カ所あり、若林区荒浜の浄土寺は津波によって本堂が流され、土台しか残っておりません。他の寺院や共葬墓地も墓石がなぎ倒され、土台が崩れ、区画がわからなくなったり、お骨がむき出しになっている箇所さえあります。  先人の霊を弔いながらこの墓地を復興していくことは、被災した個人の力や努力では限界があるのではないでしょうか。本市として墓地の被害状況をしっかり把握して、被災者の生活再建の一つとして取り上げ、何らかの対応が必要であると考えますが、これらの墓地の再建についていかがお考えになりますでしょうか、お伺いをいたします。  私は先日、一九九〇年十一月に始まった雲仙普賢岳の噴火災害を学習できる日本で唯一の火山体験ミュージアムである雲仙岳災害記念館と、普賢岳の噴火によって被害を受けた家屋を保存展示している土石流被災家屋保存公園、さらに大火砕流がもたらした熱風によって全焼した旧大野木場小学校被災校舎を視察し、改めて土石流災害のすさまじさを身近に感じ、防災事業の重要性を学ぶことができ、伝えることの大切さを実感してきました。  私たちは、千年に一度と言われる東日本大震災の直撃を受けました。仙台市はこの震災の貴重な体験、経験を次世代に語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援等を図り、安全・安心な市民協働、減災社会の実現に貢献し、減災社会の実現と命の大切さ、ともに生きることのすばらしさを世界へ、そして未来へ発信していく責務があるはずです。  本市は、復旧と復興事業にあわせて、大震災の脅威と教訓を正確に後世に伝えるために被災地の一部を保存すべきと考えます。将来、世界遺産にもなり得るのではないでしょうか。世界じゅうの研究者やまちづくりの関係者などが、仙台市を多数訪れることになるでしょう。被災地の中で、このようなセンター機能や体験、伝承のステーションを創造することができるのは、仙台市以外には考えられません。  今回の大震災で私たちは、日本はもとより世界各国から温かい御支援、御協力をいただきました。今度は、仙台市が主体的に災害に遭われた方を支援したり、防災や減災のための支援や発信をしていかなければならないと考えます。奥山市長の御所見をお伺いをいたします。  大震災への対応は、スピードと市民との一体感が大切であります。市長には市民の一歩前ではなく、二歩も三歩も先を見据えて歩まれることを期待して、一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 21: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの佐藤正昭議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、世界に向けた仙台復興の発信についてでございます。  このたびの三月十一日の大震災は、まことに大自然の脅威のすさまじさを再認識させた大きな震災でございました。百万を超える都市としてこのような大震災を受けました仙台は、今あらゆる面でこの都市が災害とどう向き合うかということにおいて世界じゅうから注目を受けている、御指摘のとおりであるというふうに認識をしてございます。  大震災における都市のライフラインの確保の問題、そしてまた大きな避難者の数に対しての対応、また都市であるからこその昼間人口、帰宅難民の方々の問題、そういったことについて、私どもはこれから広く世界に向けて防災都市としてのあり方を発信していくべきと考えているものでございます。  また、産業の復興におきましても、世界がこれを注目していることは御承知のとおりでございます。私どもも、これからの産業復興の中で環境先進都市としての仙台の歴史を生かしながら、新しい自然エネルギーのまちづくりへの利用、また公共交通機関のあり方など多面的なまちづくりを進め、経済の復興とまちの再建に取り組み、これを広く世界に発信してまいりたい、このように考えているものでございます。  また、こうした復興の中での基礎自治体としての地域自治体との連携、協力関係の構築についてのお尋ねでございます。  このたびの震災の広域性にかんがみ、地域の基礎自治体同士が支え合うということは何よりも重要なことであると考えてございます。この間、お話にございました生活ごみの引き受けでありますとか、また瓦れきへの対応、そしてまた公共交通機関が途絶していたときにおきまして近隣市町から参りますバスへの駐車場の場所の提供等、さまざまの連携を通じまして、基礎自治体が支え合うことについて実践を重ねてきたところでございます。  今後の復興におきましても、こうした必要な機能を仙台市として十分果たしてまいるとともに、観光の連携でありますとか、また宅地災害のような広域的な連携によってのみ解決が可能な課題に対しましても率先してリーダーシップを発揮し、取り組んでまいりたい、このように考えるものでございます。  最後になりますが、市政の発信力、広報力についてでございます。この間、市長の顔がなかなか見えないというようなお話をいただいたところでございます。本件に関しまして、二つの面からの対応を考えるべきと、私としては考えているところでございます。  一つは、旧来におきまして仙台市は大変さまざまなイベント等により、市政についてメディアにおいて紹介をされる機会が多かったというふうに理解をいたしております。今回の震災におきましては、被害が広域であること、またさまざまな緊急的な復旧に向けての情報を発信する必要があること等によりまして、相対的に仙台市の事業に対します発信の部分の量が少なくなったということはそのとおりであろうかというふうに考えてございます。  そうした状況につきましては、復旧の過程の中で徐々に解決をしてきており、ただいま五月以降におきましてはかなり市民の皆様からも、また仙台のことが報道されるようになったというようなお話を伺っているところでございます。  また、一方におきましては、リアルタイムにおける市長としてのメッセージの発信のあり方ということも大きな課題であると考えてございまして、一つとしましては私どもの市政だよりは月に一回でございますし、またインターネットについても停電の中で見られなかったというような状況もございました。避難所におきますさまざまな情報伝達、とりわけ私自身の口によるメッセージのお伝えの仕方、例えばDVDを用いますとか、またあるいはツイッターでありますとか、そうしたさまざまな情報発信の手段について今後なお研究を深め、実践できるように取り組んでまいりたいと思うところでございます。  本市の産業の再生方策等についての御質問にもお答えをさせていただきます。  今回の震災におきまして、先ほども申し上げましたが、東北全体の産業が甚大な被害を受け、競争力の低下や産業の空洞化が懸念される一方、日本のみならず世界のサプライチェーンに占めます東北の産業の価値が再認識されたこともまた大きな事実でございます。  こうした事態を受けまして、本市といたしましては、まずは本市産業の中心でございます中小企業の皆様への支援を第一に考えるべきということで、新たな融資制度の創設などに加えまして、商都仙台の商店街のにぎわいの創出に向けた支援策など、産業の再生に向けた緊急の施策を適宜実施しているところでございます。  また、持続的な経済の発展に向けましては、中長期的な視点での産業競争力の強化が不可欠であるとの認識のもと、復旧を一つのばねとして今後の成長領域と位置づけられております自然エネルギー、福祉、観光などの分野において新たなプロジェクトや企業を誘致し、大学の知見等の活用もいたしながら、東北地域各地との連携の中で一層この地に豊かな産業が花開くよう努めてまいりたいと考えてございます。  こうした事業の一つ一つを丁寧に組み立てながら、力強い産業基盤を早期に構築し、仙台市の復興が東北全体のシンボルとなり、牽引車となるよう取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上でございますが、そのほかの御質問につきましては関係の局長から御答弁を申し上げます。 22: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、応急仮設住宅と墓地の再建に係る御質問にお答えを申し上げます。  初めに、応急仮設住宅についての数点のお尋ねにお答えいたします。  まず、民間賃貸住宅借り上げの申込者数と入居者数でございますが、六月二十日現在で七千百二十四戸のお申し込みがあり、このうち仙台市の審査が済み、入居決定いたしましたのは三千十四戸でございます。  次に、入居決定までの期間等についてでございますが、これまで被災者の方が入居物件を見つけ、仙台市へ届けてから入居決定するまで、仙台市、被災者、貸し主と不動産業者間の事務連絡が円滑に進まない場合、入居決定まで一カ月を要する例もございました。このため、入居手続のかなめとなる不動産業者に対し、文書で手順の徹底を依頼するなど期間の短縮に努めてまいりました。さらに、庁内職員の応援はもとより、臨時職員やアルバイト、外郭団体や他都市からの応援などにより担当職員を増強して事務処理体制の強化を図り、迅速な事務処理に取り組んでいるところでございます。  次に、家電や生活物資が届くまでの日数等についてでございますが、民間賃貸住宅に入居される方への家電六点セットの配送につきましては、入居通知からおおむね一カ月、生活必需品につきましては二週間から一カ月ほどを要しております。  このように配送に日数を要しておりますのは、民間賃貸住宅への入居希望が当初の想定を著しく超えたためでございましたが、プレハブ仮設住宅の物資の搬入が終了時期を迎えておりますことから、今後の配送体制の組み替え等を図り、可能な限り円滑で迅速な配送に努めてまいりたいと存じます。  最後に、被災した墓地の再建についての御質問でございます。  今回の震災による墓地の被災状況につきましては、現地調査等により確認作業を行い、損壊状況の把握に努めているところでございます。損壊した墓地の再建につきましては、今後策定する復興計画における被災地域の土地利用計画を踏まえつつ、墓地を使用されている方々の御意見等も伺いながら対応を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 23: ◯経済局長(高橋裕)第一次産業についてのお尋ねにお答えをいたします。  まず、本市農業の将来ビジョンについてでございます。  本市農業につきましては、震災を機にこれまでの安全・安心な食の供給や国土保全、田園景観の維持などの役割に加え、再生可能なエネルギーの活用や異分野の産業との融合、集団化や法人化による農業経営など新しい第一次産業のあり方を提案し、東北農業を牽引していく役割が求められるものと考えております。  今後、農業者の方々の意見や有識者等の知見を伺うとともに、さまざまな企業や大学との連携、協働による先駆的なプロジェクトを展開し、若い担い手が夢を持ちながら挑戦できる豊かな農業の実現に向けて鋭意取り組んでまいります。  次に、本市漁業の被害状況と今後の対応についてでございます。  今回の大津波により所有漁船の九割が流出し、ノリ養殖の施設も壊滅的な被害を受けております。市内の専業的な漁業者十七名のうち現在十二名の方々は、被災を免れた漁船を使いまして国の事業である海上の瓦れき回収処理に従事しているところでございます。今後、漁業再開には新たな漁船、漁具の調達に相当の時間と資金を要することが見込まれ、また漁場環境の悪化なども懸念されております。  本市といたしましては、これまで国に漁業の経営再建に係る総合的な支援制度などを要望するほか、本市施設の一部を漁業協同組合仮事務所として提供するなどの支援を行ってまいりました。現在、宮城県漁業協同組合におきまして、組織的に養殖等を行う協業化や漁業組織の集約化など、漁業再建に向けた取り組みを実施しているところでございます。本市といたしましても協力をしながら、被災漁業者の方々の意向や要望を伺い、必要な支援施策を行ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 24: ◯議長(野田譲)副議長と交代いたします。     〔議長 野田譲退席、副議長 渡辺公一議長席に着く〕 25: ◯副議長(渡辺公一)議長と交代いたします。  次に、小田島久美子君に発言を許します。     〔六番 小田島久美子登壇〕(拍手) 26: ◯六番(小田島久美子)公明党の小田島久美子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  震災から百日が過ぎました。一日も早い復興、復旧を祈り、日々生活しておられる市民の皆様が今抱えている課題について順次質問をさせていただきます。  宅地被害地域への対応について伺います。  一点目は、避難勧告の今後の見通しと考え方についてです。  先日、百六十一世帯に避難勧告が示されたところです。危険宅地など二千世帯余りと関係する世帯に対して行われたと伺いましたが、避難勧告が行われた地域に住んでおられる方から、同じような被害が想定されながら避難勧告が行われなかった宅地は今後どのように考えていけばよいのかとの御相談を受けました。担当課にも問い合わせたようですが、あくまで危険だという心配がある場合には自主避難を考えてくださいとの対応だったそうです。自主避難では、その後の生活再建に支障を来すという課題もあります。そのほかにも、応急修理制度を利用して家の修理を検討していた方が、今後自分たちの住んでいる宅地が避難勧告の対象になるのではないかと修理を見合わせ、一歩前に踏み出せない状況も見受けられます。  避難勧告に対する基準と、基準とする調査内容、今後想定される避難勧告はおおよそどれぐらいの宅地を考えているのか伺います。より市民が納得されるように行われることを望むところですが、御所見を伺います。  宅地被害の質問の二点目は、地盤調査等の検討状況についてです。  被災宅地箇所の特に六十五カ所等において宅地被害が示され、その中でボーリング調査は十五カ所行われていると伺いました。今後予定されるボーリング調査箇所はどれくらいとお考えでしょうか、伺います。  また、調査は被害が集中しているところから順次行うと示されておりますが、宅地被害は集中しているところだけではなく、中には地域で一カ所だけの宅地が陥没しているところもあるようです。地域において少数の宅地被害であっても調査対象と考えてよいのか、今掌握されている宅地被害の調査はいつごろをめどに終了する予定なのか伺います。  三点目は、宅地被災者への個別の説明の対応についてです。  被災された方々は、必死の思いでやむにやまれぬ思いで陳情されております。ちゃんと聞いていただけたのか、どんな答えが返ってくるのか、わらをもすがる思いで届いた市民の願いに、市はどう対応されているのでしょうか。返事をじっと待っている市民の側に寄り添えば、当然のことと感じられないでしょうか。  ある地域では宅地の崩壊、地すべりのため、百四十三名の署名を集め、三度市長に陳情を行い、行政からの説明を待っていたそうです。自分たちの住んでいる宅地はどうなっているのか、自分たちにできることは何か、対策はどうしたらよいのか、仙台市の動きがわからず二カ月が過ぎ、なぜ市として何も説明がないのかというお話でした。そのほかの地域でも四月に陳情を提出し、いまだに何の説明もないとか、自分たちの宅地被害は行政に認識されているのだろうかと不安を感じている方もおります。  市民の方が求められているのは、まずは迅速で丁寧な対応と思います。被災した方々とともに前へ進むためには、行政からの強い丁寧な働きかけが必要です。一刻も早く対策を講じていただきたいと思います。御所見を伺います。  四点目は、国に対しての要望活動についてです。  今月初旬、市長と議長により国に対して宅地災害に関する緊急要望を行っていただき、被害の甚大さや個人の復旧の限界などによる法的整備等の要望を訴えていただきました。今回の要望活動に対しては、本市の宅地被害の甚大さをさらに国に認識していただいたと理解するところであります。緊急要望を行っていただいた上で、今回の震災で要望している制度の拡充と過去の中越地震や阪神・淡路大震災のときに認められた特例と比較して、国の対応については市長はどのように感じておられるのか伺います。  梅雨の時期に入り二次災害を心配される市民の方の中には、どこまで国の対応を待てばよいのかという声も聞かれます。市として、国の対応が不十分な場合、何らかの対策を講じていかなければならないと思いますが、御所見を伺います。  質問の第二は、避難所運営の向上についてです。  一点目は、避難所運営に携わった方々との意見交換会の開催についてです。今回の避難所の運営については、行政の対応や食糧、燃料の備蓄等の課題が指摘されているところです。今議会初日の代表質疑において、避難所運営についての答弁で、新たに検討される避難所運営マニュアルの作成に当たり、携わった職員の意見を参考にしてとの内容でありましたが、地域の方々からは自分たちの意見も聞いてほしいという要望があります。多くの皆様が携わった避難所運営に関しての経験と見識を今後の地域防災や学校の施設づくりに生かしていくためにも、地域の方々の御意見を伺う機会を検討していただきたいと思います。  昨日の代表質疑の答弁においては、幅広く御意見を伺うとの内容でしたが、十九日に泉区で開催された意見交換会の席上、市としてはアンケートなどを連合町内会にお願いする話もありました。一方的な意見の集約のみを目的とするのではなく、このようなときだからこそ行政と地域の意見交換が信頼を構築することをお考えいただけないでしょうか。市が意見を掌握することも必要とは思われますが、区が主催の意見交換会なども視野に入れて、その上で避難場所の運営管理のために必要な知識など、地域の皆様への普及に努めていただきたいと思います。御所見を伺います。  二点目は、本市として協定を締結していた備蓄物資について伺います。  昨年、流通在庫備蓄方式を導入し、おむつや生理用品を一般の企業の倉庫に備蓄しておりましたが、今回この機能が十分に果たされたのか伺います。  中には、本市としての備蓄なのか支援物資として提供していただいたものなのかわかりづらかったとか、なかなか動きが見えなかったなどのお声もあります。課題として挙げられるところは何か伺います。  また、スーパーなどと締結している物資の供給に関する協定により、震災後いつごろから食品等の調達が行われたのか伺います。  被災直後はどの避難所も、多くの方の命を預かる思いで食糧の確保に必死な毎日でした。協定による支援物資の供給は、関心が高かったところです。震災後、商店なども開店できず、自宅被災者にとっても食糧を確保することが困難な状況が続きました。ひとり暮らしの高齢者なども、ヘルパーさんの訪問がなかったために買い物に行けず、不安な日々を送りました。赤ちゃんを持つお母さんは、ミルクの不足で、どこに行ったら手に入るのかと必死で声をかけている姿も見られました。このように、避難所には行かなくても、物資に対しての支援が必要としていた方の対策も今後の検討課題と思われます。御所見を伺います。  三点目は、知的障害、精神障害一級等の方々の避難所整備について伺います。  福祉避難所として高齢者や障害者を受け入れていただいたところですが、中には精神障害一級の方で福祉避難所から断られた方もおります。担当部局やケアマネジャー、ヘルパーさんなども必死で行き先を探していただきましたが、受け入れていただけるところがなく、自宅に戻ったそうです。また、障害者のいる家族の中には、ほかの避難者の迷惑になるからと、自宅が被災しても避難所には行けなかった方もおります。  今後、福祉避難所のあり方なども検討していただき、例えば養護学校等を障害者の避難所として設置することも検討していただけないでしょうか。自助、共助、公助と言われながら、いざというときに最も弱い人を守り切れなかったことは残念でなりません。御所見を伺います。  四点目として、防災機能を備えた学校施設の復旧についてです。  多くの学校施設が地域住民の避難所として重要な役割を果たし、ピーク時には避難所数二百五十七カ所、避難者数約十万六千人に達しました。このうち学校施設は、約百六十六校が避難所となりました。避難所としての学校が果たすべき役割も多岐にわたり、児童生徒や教職員の安全確保もあり、耐震性の確保に加え、避難生活に必要な体育館のトイレや防災倉庫、浄水設備、自家発電など備えることが求められました。  今後、避難所としての機能の向上を視野に入れた学校施設の復旧の計画、設計を求めるところです。御所見を伺います。  質問の第三として、障害物の除去制度を利用した被災地の衛生対策について伺います。  津波被害に遭った地域の床下汚泥の除去対策に対応を求めている地域があります。津波で床下浸水の被害に遭い、敷地内の瓦れき、汚泥は除去しましたが、いまだに大量の汚泥が床下に堆積し、困っている被災者がおります。障害物の除去制度が利用できないか、担当部局に確認しましたが、対象にならないとのことでした。しかし、床板をはがすなど、自力での除去は困難です。居住している被災者にとって、これから夏に向かい、悪臭等衛生面でも心配しています。国、県に働きかけ、一日も早い対応が求められますが、御所見を伺います。  質問の第四は、乳幼児を小児麻痺から守る不活化ポリオワクチンの接種についてです。  今回、避難所生活をしている若いお母さん方から、接種できないことへの不安の声をいただきました。現在、日本においては、このワクチンは生ワクチンしか認められておりません。生後三カ月から七歳半に至るまで、二回の生ポリオワクチンを実施してきました。生であることから、副作用や二次感染の事例が報告されております。そのため、手洗いや入浴が不十分な避難所生活を余儀なくされている現状では、おしめなどを介して二次感染の危険性も高まるとの見解で、生ポリオワクチン接種を見合わせる自治体がふえており、仙台市においても秋まで実施を見合わせることを伺いました。  公明党では、国においても、このようなときだからこそ不活化ポリオワクチンへの切りかえを訴えておりますが、国においてはまだ承認はされておらず、現時点では輸入された不活化ワクチンにより限られた医療機関で有料で行われております。不活化ポリオワクチンはウイルスから毒性を取り除いてつくり、WHOでも安全性が高いとして推奨しており、先進国において導入していないのは日本だけです。  我が子の健康を守りたいという一心で、不活化ポリオワクチンの予防接種を希望される御両親の願いです。本来なら、国においてやっておかなければならないことではありますが、ぜひ本市としても声を上げていただきたいと望むところです。御所見を伺います。  質問の第五は、公営住宅の定期募集についてです。  今回の震災により、自宅や宅地には大きな被害がなくても、職場が被災し、離職や減給により自宅を手放さなければならない方がおります。り災証明の判定で仮設住宅の入居資格に該当しなかった方の中でも、若干の家の傾きがどうしても身体的に影響し、そのまま住み続けることができなくなってしまい、経済的な理由で公営住宅を希望したいとの御相談もあります。現在、市営住宅の定期募集は行っておりません。まずは仮設住宅入居を希望される方々の対応を優先的に進めなければなりませんが、所得の激減で困惑されている方々の切実な声も受けとめていただき、定期募集再開を求めるところですが、御所見を伺い、私の第一問とします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 27: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えを申し上げます。  宅地被害の復旧に関する国への要望活動についてお答えを申し上げます。  今回の宅地被害は、その甚大さから個人での復旧はもとより本市単独で復旧の支援を行うことも極めて困難でありまして、被災宅地の早期の復旧のためには国の支援が不可欠であると考えております。  このため、国に対しましては宅地災害復旧制度の拡充や被災者の負担軽減につながる制度の創設などについて、私自身もその先頭に立ってたびたび働きかけてきたところでございまして、先般も同様の被災を受けました東北三県十市の市長の方々とともに要望活動を行ったところでございます。これまでの要望活動から得られた感触といたしましては、被害の実情についてはかなりの程度、御理解をいただけたものと感じております。  自然がけだけではなく、高さ三メートル以上の人工のり面や擁壁への補助事業の適用など、過去の震災において講じられた特例と同等の措置の適用について、国会においてもさまざまな工夫をして取り組む旨の答弁をいただいており、前向きに検討していただけるものと認識をしてございます。
     しかしながら、本市といたしましてはできるだけ早期に被災された宅地の復旧の道筋をつけていくため、被害の実態に即し、さらなる高さ要件の緩和ですとか、国庫補助率のかさ上げなど、過去の特例を超えた措置もまた講じていただくよう、引き続き国に強く働きかけてまいりたいと考えてございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 28: ◯財政局長(山内晃)障害物除去制度についての御質問にお答えします。  この制度は、障害物があるために日常生活上支障を来す場合に応急的に最低限必要な場所を確保するためのものでありますことから、床下の障害物は対象とならないとされております。  宅地における土砂や汚泥の撤去につきましては、津波災害ボランティアセンターなどボランティアの方々の支援活動などにより一定の対応がなされているところではございますが、御指摘のような要望もありますことから、床下の汚泥等について障害物除去制度の対象とするなどの支援を行うよう、今後とも国、県に対し要望してまいる所存でございます。  以上でございます。 29: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、健康福祉局に係る二件の御質問にお答えを申し上げます。  まず、知的障害者等の避難所整備についてでございます。今回の大震災により避難所生活を余儀なくされた被災者のうち、避難所での集団生活が困難で特別な配慮が必要な方々のために、障害者福祉センターを含む四十カ所の施設を福祉避難所として開設し、支援に当たったところでございます。  実際の受け入れ要請に当たりましては、本市が障害者御本人の状態を把握しながら施設側と調整を図ったところではございますが、受け入れ可能数の限界等もございまして、御指摘のような事例もあったものと考えております。  今後は、御提案の趣旨も踏まえ、多様な施設と福祉避難所設置に関する協議を行い、障害者個々の状況に応じた対応が可能となりますよう、鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  次に、不活化ポリオワクチンの予防接種についてお答え申し上げます。  ポリオの予防接種につきましては、ウイルスを弱毒化させた生ワクチンを現在まで使用しておりますが、議員御指摘のとおり、極めてまれにではございますが、副反応や二次感染によりまして健康被害を起こすことがあり、安全性の高い不活化ワクチンが望まれてきたところでございます。  本年五月に開かれました国の厚生科学審議会におきまして、年内にも出される予定の不活化ワクチンの承認申請について、できる限り迅速に審査を行うという考え方が示されているところでございます。  本市といたしましては、これまでも政令指定都市市長会や大都市衛生主管局長会を通して不活化ワクチンの早期導入を国へ要望しており、今後も引き続き、さまざまな機会をとらえまして強く要望してまいりたいと存じます。  以上でございます。 30: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、宅地被害地域の対応及び市営住宅に関する数点の御質問にお答えをいたします。  まず、避難勧告に対する基準についてでございますが、被災宅地危険度判定により危険や要注意とされた二千余りの宅地について本市職員が現地調査を行い、解体等により建物が存在しない宅地ですとか、擁壁改修が済んでいるなど危険を除去済み、または工事中の宅地、擁壁の倒壊のおそれがあるものの、庭や倉庫等の被害にとどまり、居宅に被害が及ばないと判断される宅地、これらを除いた宅地に現在もお住まいになっている方へ勧告することとしたものでございます。  現時点では、百六十一世帯を超えて勧告を行う予定はございませんが、今後の降雨の状況により危険性が高まった場合、必要に応じ追加の勧告について判断してまいりたいと考えております。  今後、ボーリング等の地質調査を行う箇所についてですが、まず宅地被害がまとまって発生している六十五カ所の中で、既に都市整備局や県などでボーリング調査を行った箇所を除いた四十三カ所におきまして、現地調査等の概況調査を実施しております。その結果、地すべり等の被害が想定される箇所におきまして、ボーリング等の地質調査を追加して行う予定としております。また、その他複数の宅地被害を受けている箇所の調査につきましても、今後、概況調査を実施することとしております。  被災宅地の調査の終了の時期についてでございますが、現在、宅地被害がまとまって発生している六十五カ所のうち四十三カ所の概況調査につきましては、七月中旬までに終了をいたします。それに続く地すべり等の被害が想定される箇所のボーリング等の地質調査や、複数の宅地被害が発生しているその他の箇所の概況調査には、一定の期間を要するものと考えております。  次に、被災者からの陳情等に対する説明についてでございますが、宅地被害につきましては被災宅地危険度判定や現地パトロールなどでその被災状況を認識しておりますが、被災された方々から被害メカニズムの調査や公共事業等による対策などの要望が多数寄せられております。  現在、ボーリングによる地盤調査等、被害のメカニズムの解明を進めており、地盤調査の中間報告を含めた地元への説明については、これまで十一地区で行ってまいりました。今後、対策工法の検討がまとまった時点で、地域の皆様への説明を順次行っていきたいと考えております。  最後に、市営住宅の定期募集の再開についてでございますが、今回の震災に対応するため市営住宅も応急仮設住宅として提供しておりますが、応急仮設住宅の入居資格に該当しないものの、震災に伴う離職など経済的な事情から市営住宅への入居を希望される方が相当数いらっしゃるものと存じております。  このため、今後の応急仮設住宅への入居状況を見きわめた上で、定期募集を九月には再開できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  私からは、以上でございます。 31: ◯消防局長(高橋文雄)初めに、避難所運営等に関するお尋ねにお答えいたします。  このたびの震災におきましては、避難所運営に関しましてさまざまな課題がありましたことから、地域防災計画の見直しとあわせ、新たな避難所運営マニュアルを作成する必要があるものと認識しております。  マニュアル作成に当たりましては、御提案いただきました趣旨も踏まえ、地域の方々の意見を広く取り入れるなど、適切な避難所運営が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  また、作成したマニュアルにつきましては、実際に広く地域の方々に活用されることが重要でありますことから、訓練などを重ねまして適切に運用されるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、流通在庫備蓄等についてでございます。  流通在庫備蓄は昨年から導入し、大人や幼児用の紙おむつ等を市外にある流通業者の倉庫へ備蓄しておりました。今回の震災では、これらの物資は発生翌日の十二日に届けられており、一定の機能は果たされたものと考えております。  また、協定による食品等の調達でございますが、発災直後から事業者に供給を要請しておりましたが、仙台近郊の事業者の配送センターが被災したことなどにより、当初数量に限りはございましたが、本市には三月十二日からの順次到着となりました。  こうした協定先からの物資供給につきましては、発災当初は配送拠点から避難所への輸送が円滑に行われなかったことなどの課題がありましたことから、今後円滑な物資供給のあり方について検討してまいりたいと存じます。  最後に、自宅被災者への物資の支援についてでございます。  自宅被災者への物資の支援につきましては、今回の震災における大きな課題の一つと認識しております。自宅被災者のとらえ方、把握の方法、物資配布のマンパワー確保など、さまざま解決すべき事項がありますことから、避難所のあり方を検討していく中で、どのような支援、どのような対応が可能なのか、関係部局とともに考えてまいりたいと存じます。  以上でございます。 32: ◯教育長(青沼一民)私からは、防災機能を備えた学校施設の復旧についての御質問にお答えいたします。  今回の震災におきまして、学校施設が果たした役割は大きいものであったと考えておりますが、一方では議員御指摘の避難所としての施設に関する課題も少なくないというふうに認識しております。  今回、被災した学校施設本体については、まずは元の機能を回復させることが前提となりますが、避難所としての機能の充実につきましては全庁的な問題でもございますので、今回の震災での避難所の状況を十分に踏まえ、関係部局と連携しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 33: ◯六番(小田島久美子)二点、再質問させていただきます。  市長にお伺いさせていただきます。  宅地被害についての国への要望について、私の方が聞き逃したのかもしれないんですけれども、国の対応がこのまま長期化して不十分な場合、梅雨の時期にも入るので心配をされている市民の方々にとって、何らかの市の対応をしていかなければいけないのではないかという市民の御意見に対しての市長のお考えをお願いいたします。  それから、もう一点につきましては、同じく宅地被害の説明の部分でございますけれども、市長も先般御出席いただきました泉区の意見交換会において、宅地の災害に対する被災者の方々の説明の御要望があった方は、記憶している限り一人や二人ではなかったような気がいたします。その中でも市民の方がおっしゃっておりましたけれども、行政の皆様も休日を返上しながら一生懸命職務に専念していただいている姿は見受けられるけれども、これは体制の問題ではないかという御要望もあったようでございます。私は、説明をしていただきたいのはもとよりでございますけれども、説明をしていただけるような体制、対策をとっていくべきではないかと御質問させていただいたつもりです。  この二点、お願いいたします。 34: ◯市長(奥山恵美子)再度のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、この梅雨の時期を控えての地元のさまざまな宅地被害を受けられた皆様の御不安についての対応ということでございます。  まことに梅雨の時期に入るということは、被害を受けられた多くの市民の皆様にとっても御不安がなお増す状況であるということは、私どもも十分認識をしているところでございます。  まず一つには、応急の仮設の対応が必要な場所につきましては、仙台市といたしまして、大型土のうでありますとか、またブルーシートによります雨水の流入を防ぐ措置でありますとか、そういった措置を講じまして被害の拡大を防止するべく努めているところでございます。  また、あわせまして、危険度が高いと思われる場所につきまして、このたび避難の勧告をさせていただいたところでございまして、このようなことにより当面の梅雨の時期の対応ということを乗り切ってまいりたいというふうに考えているものでございます。  被災された皆様が早期の宅地の復旧を望んでおられ、それに関する見込みを一日も早くお聞きになりたいというその切実なお声につきましては、私もたびたびの被災された地域の御訪問でありますとか、また陳情の折、また先般のような意見交換会においてもお話をお聞きしているところでございます。  しかしながら、重ねて、そういったときにも御説明をさせていただいておりますのは、今回の被災において、被災された方々の御負担を軽減していくためには、やはり国の枠組みということを広げる、その作業なくして負担の軽減というのは極めて難しい状況であるということをお話を申し上げまして、なお私どもとしてそこに力を注いでいるという現状について御理解を賜るようにお話をさせていただいているところでございます。  また、このように広範な宅地の被害が出ております中で、職員の体制もこれを増強していかなくてはなかなか全体の進捗が図れないということについても、私どももそのように思うところでございます。現在、他都市からの多くの職員の方の増員をいただくほか、またOB職員の再度の任用なども含めまして、さまざまな手段を講じて職員の体制の充実にも努めているところでございます。  一日も早く被災者の皆様が少しでも安心していただけるようなところに進めるよう、仙台市として全力を尽くしてまいりたいと、このように考えてございます。 35: ◯副議長(渡辺公一)この際、暫時休憩いたします。     午後三時十二分休憩          ────────○────────     午後三時三十分開議 36: ◯副議長(渡辺公一)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、高見のり子君に発言を許します。     〔十一番 高見のり子登壇〕(拍手) 37: ◯十一番(高見のり子)日本共産党の高見のり子です。  仙台市では三月十一日の被災当日、帰宅困難者も含めて十万人を超す避難者が発生し、指定避難所だけでなく、ありとあらゆる場所が避難の場所となりました。仙台市地域防災計画では百九十四カ所を指定避難所にしていましたが、実際に開設された避難所は三百カ所近くになりました。市民センター、コミュニティ・センター、町内会集会所などに避難者が殺到して、指定避難所ではないたくさんのところが避難所となりました。それぞれの施設管理者が開設を判断したわけですが、その判断は正しかったと考えます。指定避難所が足りないのは明らかです。指定避難所をふやすべきですがいかがでしょうか、伺います。  あらかじめ避難所として市が指定していなくても、住民が避難し、要請があれば食糧など必要な物資を市は届けるべきです。ところが、ある市民センターでは、指定避難所でないからと食糧や物資の支給を市から断られ、三日間食糧が届かなかったそうです。人道的に考えても、非常に残念です。避難所になり得る公共的施設は災害時に地域からの要望があれば避難所として位置づけ、必要な食糧や物資を配給すべきです。いかがでしょうか、お答えください。  ある避難所では、ほかでミルクがないからと断られた外国人の赤ちゃんとお母さんを受け入れて、後にその国の大使がわざわざお礼に来たそうです。助けを求める被災者を絶対見捨てないという、その責任者の強いリーダーシップは学ぶべきです。  災害時には自分の頭で考え、自分で決めることが求められます。それが、時には生死を分ける場面にもつながります。上司に聞かなくてもマニュアルにとどまらない的確な判断ができるように、市職員の養成や訓練が日ごろから必要です。このことは当然、日常業務にも役に立つはずです。いかがでしょうか、伺います。  今回の震災では、指定避難所となった学校の運営責任を施設責任者である学校長が担わざるを得ないところがありました。本来、避難所運営の責任は区役所にあります。そうならなかった原因は、さきに述べた職員の養成、訓練不足とともに、区役所の職員不足にあります。市は、行財政改革を進める中で、区の職員は減らすだけ減らしてきました。区の職員をふやすべきですがいかがでしょうか、伺います。  仙台市はこれまで合併を重ねてきた結果、余りにも大きな都市になりました。区役所単位でも、一つの自治体といえる大きさです。東日本大震災では、その大きさがさまざまな復旧のおくれにつながったといえます。また、もともと村であった高砂、岩切、岡田、六郷、七郷の支所機能を縮小、廃止したことも、救援、復旧の大きな妨げとなりました。  住民本位の復興を進めるために、支所機能の復活を初め、区役所に人もお金も権限も集中して問題解決に当たるべきです。いかがでしょうか、伺います。  今回は未曾有の災害ではありましたが、ありとあらゆるものが不足しました。仙台市は地域防災計画で十七万九千人の避難者を想定し、その一日分の備蓄目標を立てていました。それに必要な食糧として、主食は三食分、五十八万八千食分、飲料水は一人一日一リットル、十八万九千リットルを備蓄していました。それでも、すぐ底をついてしまいました。一日分では到底足りないことは明らかです。毛布は、指定避難所五十三カ所と各区役所等合わせて二万五千枚しか備蓄していませんでした。今後の備えとして今回の教訓を生かし、十分な食糧や飲料水、毛布などの現物備蓄を行うべきです。いかがでしょうか、伺います。  さらに、備蓄品の内容も検討すべきです。例えば、主食はクラッカー、アルファ米だけにせず、レトルトやフリーズドライ食品なども加えるべきです。避難所の備蓄品として追加すべきものに、乾電池、発電機、断熱シート、太陽光利用の電灯などもあります。いかがでしょうか、伺います。  今回、福祉避難所が開設されましたが、水、食糧、毛布などの備蓄品がなかったため、どの施設も苦労しました。協定を結んでいる福祉避難所にも、水、食糧、毛布はもちろん簡易ベッド、発電機、防災無線などの備蓄品を配備すべきですがいかがでしょうか、伺います。  消防団は、発災当初から長期にわたって過酷な救援活動に従事されました。その活動に敬意を表します。ところが、命がけで救助活動に当たっている消防団員には、食糧の支給がありませんでした。ある消防団は三日間、電気も暖房もないポンプ小屋に詰めながら、食糧も支給されない中で救助活動を行ったそうです。消防団の救助活動を保障するため、詰所に必要な物資を支給すべきです。いかがでしょうか、伺います。  水道が復旧するまで、市民は飲料水の確保に大変苦労しました。非常用飲料水貯水槽は市内に二十一基設置されていますが、少な過ぎます。新たに年次計画をつくり、学校や公共施設に増設すべきです。いかがでしょうか、伺います。  また、応急給水栓も二十カ所では足りません。応急給水栓も増設することが必要です。あわせて、給水場所の周知を市民に徹底し、日ごろから防災意識を高めるべきですがいかがでしょうか、お答えください。  日ごろから地域の商店やスーパー、企業と防災ネットワークをつくっていたある市民センターでは、発災直後、そのネットワークを活用し、商店やスーパーから直ちに食糧を確保したそうです。近所の回転すし屋さんが御飯を提供してくれたり、商店街が炊き出しを行ったという避難所の話も聞きます。こういった地域の特徴を生かした商店や企業との防災ネットワークの構築も進めるべきですがいかがでしょうか、伺います。  今、被災者の皆さんは、避難所から仮設住宅に移っています。特に借り上げ民間賃貸仮設住宅への入居は、今後の予定も含めて約七千戸、全体の約八割にも上ります。こうした方々は、個々ばらばらに全市域に散らばることになります。市は、これらの民間や公務員住宅などの借り上げ仮設住宅に住む被災者を、プレハブ仮設住宅に住む被災者と同等にしっかりケアすることが求められています。いかがお考えでしょうか、伺います。  まず、民間や公務員住宅の借り上げ仮設住宅に住む被災者に、避難所やプレハブ仮設住宅に住む方と同様に情報提供を行うべきです。現状では、大きな格差が生まれています。復興格差を生むことなく、必要な支援情報を届けるべきです。民間借り上げの方には、情報を郵送すべきです。いかがでしょうか、お答えください。  また、市内に散り散りになった方々が元に住んでいた場所でのコミュニティー、きずなを保ち、必要な情報を得るためにも、プレハブ仮設住宅の集会所などは気軽に立ち寄れる情報、交流の拠点にする必要があります。いかがお考えでしょうか、伺います。  二〇〇七年十月に起きた中越地震の折に、長岡市では被災者の健康調査を直ちに行いました。十一月中には調査結果報告書を出し、その後の健康管理に役立てました。仙台市も宮城県沖地震の折には、二週間後に被害実態調査を行いました。奥山市長も見習うべきです。避難所やプレハブ仮設住宅だけでなく、民間や公務員住宅等の借り上げ住宅の被災者も含めて、訪問して健康調査を行うべきです。いかがでしょうか、伺います。  訪問調査の際には健康面だけでなく、生活状況もあわせて把握できるようにすべきです。避難所を出ると、食費や水光熱費などが直ちに必要になります。収入がない被災者は直ちに困窮します。雇用の確保を急ぐと同時に、緊急の手当が必要です。一人一人の被災者に行き届いた丁寧な対応を仙台市が行わなければ、神戸市のように多くの孤独死を生むことになりかねません。訪問調査で、困窮している世帯や支援が必要な高齢者などの世帯を把握して、引き続き食糧の支給や必要な福祉サービスを提供すべきですがいかがでしょうか、お答えください。  また、すべての仮設住宅について、水光熱費、NHK受信料を減免すべきであり、関係機関に要請することを求めますがいかがでしょうか、伺います。  避難所に行くことさえできなかった高齢者や障害者、妊婦、乳幼児など、いわゆる災害弱者への市の支援は不十分でした。民生委員初め地域の自主防災組織や町内会、そして地域包括支援センターは、今回重要な役割を果たしました。十分な動きができなかった行政、自治体を助け、本当によく頑張りました。しかし、民生委員も自主防災組織や町内会、地域包括支援センターも、行政に取ってかわる役割を果たすことはできません。おのずから限界があります。住民の命や財産を守り、福祉の充実を進めることが基礎自治体の第一義的な仕事であり、そこに限界があってはいけません。ボランティア頼みでなく、もっと市の保健福祉機能を強化し、今こそ住民の命と健康を守るために全力を注ぐべきです。  約十一万人が避難した大災害の中で、多くの市民が被災し、傷つき、助けを求めています。また、民間借り上げ住宅制度の活用で、被災者はまちに点在しています。孤立して一人で悩む被災者をつくってはなりません。そのためには、保健師が重要な役割を果たします。地域に潜在している要援護者を把握し支援するために、保健師を思い切って大幅増員して、セーフティネットの網の目をもっときめ細かに地域に張りめぐらすべきです。お答えください。  未曾有の災害で体も心も深く傷ついている被災者を救うのは、行政、特に基礎自治体の責務です。市長は今も残っている避難所や仮設住宅などを回るなどして、できるだけ被災者と直接会うべきです。そして、被災者の声にこたえる生活再建を最優先にした復興計画づくりに取り組むことを求めて、私の第一問といたします。(拍手) 38: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。  被災された方々の生活再建に向けた復興計画づくりに関するお尋ねでございます。  大震災では多くの方々が被災され、いっときは十万人を超える方々が避難所で不安な思いを募らせていたところでございました。震災への緊急の対応に追われる状況ではございましたが、被災された方々と直接お目にかかってお話を伺い、お気持ちをお聞かせいただくことが大切であると考えまして、震災発生の翌日には津波被害を受けた宮城野区、若林区両区の避難所を訪問し、お話を伺ったところでございました。その後もさまざまな避難所へ足を運び、また多くの機会をとらえながら広範な方々のお声を伺い、仙台の復興に向けた思いを市民の皆様と共有してまいったところでございます。  ようやくこのたび復興計画づくりの段階を迎えるに至ったわけでございますが、復興計画の策定に当たりましても、こうした話し合い、また御意見の交換といった過程を大切にいたしまして、被災された方々お一人お一人のお気持ちに丁寧に寄り添いながら、その生活の再建に向けたきめ細かな施策を立案、推進してまいる考えでございます。  私からの答弁は以上でございますが、このほかの御質問につきましては水道事業管理者及び関係の局長から御答弁を申し上げます。 39: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、被災された方への生活支援に関する数点の御質問にお答えいたします。  初めに、民間借り上げ仮設住宅にお住まいの方々への必要な支援情報の提供及びケアについてでございます。  御指摘のとおり、民間借り上げ住宅に入居した皆様にもプレハブの仮設住宅にお住まいの方々と同様、個々の状況に応じた支援を的確に行っていくことが必要であると考えております。これまで生活支援情報の提供につきましては、一部郵送により対応してきているところでございます。今後、被災を受けた方々が新たな地域で安心して自立した生活を営むことができるよう、地域の諸団体やNPO等との連携を図りながら、さらなる支援策に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、プレハブ仮設住宅の集会所等につきましては、そこに入居する方々の交流、活動の拠点として整備を進めておりますが、今後、入居している方々と協議をしながら御指摘の点について検討してまいりたいと考えております。  次に、区役所の保健師による訪問調査における生活状況の把握についてでございます。  訪問調査は、仮設住宅にお住まいの方々の健康状態の把握や健康面の生活指導を行っておりますが、その際に生活状況の個別の相談に応じまして、福祉事務所や地域の関係機関と協力して対応を図ってきているところでございます。また、困窮している世帯などへの食糧の支給につきましては、仮設住宅での生活は今後の自立に向けた場でありますことから、避難所から引き続いての支給は考えておらないところでございます。  また同様に、すべての仮設住宅についての水光熱費やNHK受信料の減免を要請することについても考えておりませんが、困窮している世帯や支援が必要な高齢者などの世帯につきましては、必要な福祉サービスが受けられるよう福祉事務所とも連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 40: ◯市民局長(高橋一典)区役所に関しての御質問にお答えいたします。
     区役所は市民の皆様にとり最も身近な行政サービスの拠点でございますので、これまでも効率的に業務を進めることを念頭に置きながら、予算の執行権限の拡大など機能強化を図ってきたところでございます。  各区役所におきましては、発災以来、避難所運営を初め各種の避難者支援業務を市民の皆様や地域団体などのお力もいただきながら本庁部局の応援職員とともに進めているところでございます。区役所は今後、復興を進めていく中で、それぞれの地域の実情を踏まえ重要な役割を果たすものと考えておりますことから、引き続き効果的な人員配置に努め、区役所の体制の充実、機能強化に取り組んでまいります。 41: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、健康福祉局に係る数点の御質問にお答えを申し上げます。  まず、福祉避難所の備蓄品についてでございます。  福祉避難所の運営に当たり、施設側で不足する備品類のほか飲料水や食糧など避難所での生活に必要な物品については、原則として本市が調達することとしております。今回の震災におきまして、必要な物品等につきましては本市から各施設に順次提供してきたところではございますが、発災直後の数日間は十分な提供ができず、避難された方々には不自由な思いをおかけしたところもございましたので、今後施設側とも協議をしながら、必要な備蓄品の種類と量について検討してまいりたいと考えております。  次に、被災者の健康調査についてでございますが、発災直後から避難所において被災者の巡回健康相談を実施し、三月下旬からは在宅の被災者についても家庭訪問により健康調査を実施してまいりました。現在は、プレハブ応急仮設住宅の入居者を訪問し、健康状態の把握に努めているところでございます。  御指摘の公務員住宅や民間賃貸住宅等に入居した被災者に対しましても健康調査を実施することとしており、具体的な調査の進め方について検討しているところでございます。今後も被災者の方が安心して暮らすことができますよう、継続的な健康管理に取り組んでまいります。  最後に、要援護者への支援についての御質問でございますが、災害時においては外傷など直接的な被害のほか精神的なショック、あるいは環境の激変によるさまざまな健康被害が懸念されるところであり、被災者の心身の健康状態や生活環境を把握しながら、一人一人のニーズに応じて支援することが肝要であると考えております。  こうした幅広い支援を行うためには、保健師のみならず医師、歯科医師などの専門職のほか、民生委員や地域包括支援センターなど地域の関係機関や関係者の協力が不可欠でございます。今後とも、保健師が中心となって医療、保健、福祉の各関係者と連携しながら、地域の被災者へのきめ細かな支援に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 42: ◯経済局長(高橋裕)地域特性を生かした防災ネットワークの構築につきましてお答えをいたします。  今回の震災後、中心部はもとより各地域におきましては、速やかな店舗の再開あるいは被災された市民の皆様への炊き出しなどさまざまな取り組みが行われ、企業や商店街の災害時における市民生活を支える役割の重要性が再認識されたところでございます。  一方で、商店街の皆様からは各個店の取り組みを地域として広げていく仕組みや住民の方々への周知手段が必要であるとの課題も寄せられておりまして、今後、地域内外のネットワーク構築など企業の有する防災機能が十分発揮される方策につきまして、商店街と協議しながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 43: ◯消防局長(高橋文雄)私からは、まず指定避難所の増設及び指定避難所以外への物資配給についてのお尋ねにお答えいたします。  今回の震災では、指定避難所のほか市民センターを初めとした市有施設や民間施設も避難所として活用されたところでございますが、こうした避難所に対しましては、物資の供給に課題もあったものと認識しているところでございます。  今後、指定避難所のあり方を見直す中で、市有施設等の避難所としての活用や機能、さらには物資配送などにつきましても総合的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、避難所運営における市職員の養成や訓練についてでございます。  今回の震災では、避難所運営で果たすべき職員の役割や意識づけを初め、これまでの取り組みで不十分なところもあったものと認識しております。こうした今回の一連の対応への課題を受け、職員の防災教育、訓練につきましては関係部局と連携いたしましてマニュアルなどのあり方についても検討を行い、大規模災害時における本市職員の災害対応力の向上に努めて、職員みずからが的確な判断が行えるよう取り組んでまいりたいと存じます。  次は、備蓄物資の在庫量、備蓄品の追加に関するお尋ねでございます。  本市では、地域防災計画における最大の避難者数の一日分の食糧、飲料水を備蓄しておりました。また、毛布につきましては、すべての指定避難所への備蓄を進めていたところでございます。  しかしながら、今回の震災におきましては、物資の備蓄に関して量的にも内容的にもさまざまな課題が浮き彫りとなりましたことから、今後、避難所としての機能向上が図れるよう、備蓄品目、数量等のあり方についても検討を行ってまいりたいと考えております。  最後に、消防団に対する災害時の物資支給についてでございます。  消防団は、今回の震災においては身を賭しての避難誘導、救助活動、行方不明者の捜索活動等を行い、被災者の救護に大きな役割を果たしました。そうした中、全市的被災による物資等の供給不足などから、消防団員の活動拠点である詰所に食糧等が十分に行き届かなかったところがありました。大規模災害におきましては、消防団員が継続的に消防活動を行っていく上で食糧等の物資確保は重要な課題であり、今後このたびの消防団活動の検証を行う中で、備蓄も含め食糧等の確保のあり方についても検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 44: ◯水道事業管理者(高橋亨)私からは、拠点給水施設についての御質問にお答えいたします。  これまで、市内の水道施設の配置状況などを考慮しながら、南東部を中心に指定避難所や学校などに非常用飲料水貯水槽、また耐震化された配水幹線上に応急給水栓を、北西丘陵部では給水施設としても活用可能な配水所の改良整備を進めてまいりました。  今後とも今回の震災における経験も踏まえ、市域全体の配置バランスや費用対効果なども検証しながら、計画的に拠点給水施設を増設し、震災対策の強化を図ってまいりたいと存じます。  また、市民への施設の周知につきましても、地区で行われる防災訓練や広報誌などを通じて積極的に行っていきたいと考えております。  以上でございます。 45: ◯十一番(高見のり子)余りにも冷たい答弁でしたので、再質問させていただきます。二点あります。  まず、一つ目は被災者の皆さんの生活実態調査、健康調査についてです。  民間賃貸も含めて仮設住宅に移った被災者の皆さんを訪問いたしますと、食糧がない、お金がない、口々に訴えられます。こういった被災者の実態をどう見るのかと。孤独死の前に餓死してしまう。これが、今の被災者の皆さんの実態であると思います。余りにも、こういった実態を知らなさ過ぎる答弁であったと思います。まず、すべての被災者の皆さんの訪問健康調査をやるべきだと思います。このことをもう一度、答弁お願いします。  それからもう一つが、本当に仮設住宅に移って支援金も義援金も届いていないという方は、あすからの生活の糧がないわけです。災害救助法におきましては、生業に必要な資金、器具または資料の給与または貸与、こういったものもちゃんと記されております。雲仙普賢岳噴火災害があった一九九一年、この当時には四人世帯で十二万円支給をされた。また、三宅島の噴火のときにも、東京都が生活保護に準じた保障を行った。こういうようなこともありました。食事の支給と福祉サービスの提供、これを行うべきだと思うので、この点についてももう一度お願いします。 46: ◯震災復興本部長(山田文雄)最初の民間賃貸住宅への入居者への訪問健康調査、あるいは生活状況の把握といったようなところの徹底をという再度の御質問でございました。  先ほどの答弁の中で、現在のプレハブ応急仮設住宅、こちらの方には区の保健師を通じて訪問調査をしているわけでございますけれども、改めて借り上げの仮設住宅、こちらの方の実態からいたしますと相当の方々が市内に分散しているということもございまして、改めてこちらの方々への訪問調査、それから生活実態調査を含めまして、生活情報の提供、こういったことも含めまして対応について努めていきたいと考えているところでございます。  それから、二つ目の仮設住宅に入居されている方への水光熱費あるいは食糧の関係でございます。  御承知のとおり、現在プレハブ応急仮設住宅に入居されている方、既に区の保健師による訪問活動をしてございます。その中で、直接的に保健師の役割として生活状況の把握というものは専門ではございませんけれども、当然ながら健康面、また入居者の方々への状況把握をするという意味では、経済状況の変化、震災によるそういった変化についてもお伺いするということにしてございます。そういった中で、個々の困窮なさっている方の状況も、御相談に応じて私ども、区の保健福祉センターの担当部署を通じまして対応をするように努めているところでございます。  ただ、現状といたしまして、応急プレハブ仮設住宅のみならず、先ほどの御指摘にありましたような民間賃貸住宅の件もございますので、そういった面も含めまして、改めてそういった生活状況の把握あるいは生活支援のあり方について再度検討を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 47: ◯副議長(渡辺公一)次に、相沢和紀君に発言を許します。     〔九番 相沢和紀登壇〕(拍手) 48: ◯九番(相沢和紀)社民党仙台市議団の相沢和紀です。今回は、東日本大震災に対する復旧、そして復興にかかわって数点質問いたします。  震災から百日以上が過ぎました。家屋など流失した方の多くが応急仮設住宅及び借り上げ民間アパート等に入居され、一定の落ちつきを取り戻しつつあると認識するものです。そして、五月末には仙台市震災復興ビジョン、仙台市震災復興計画素案が出され、議会はもとより地域の代表者からの意見聴取を行うなどして、地域性、そして現実に即した計画にしようとしていることに、さらに減災というキーワードのもとに、ややもすれば絵にかいたもちになりがちな計画案を地に足がついたものにしようとする考えに賛同するものであります。  今回示されている東部地区の土地利用の一つの案として、幹線道路である県道塩釜亘理線を盛り土し、かさ上げした上で、浸水した地域であっても宅地の集約化や農地を再整備して農業の再生を行おうとしていることを評価するものであります。  しかし、この幹線道路の路面かさ上げには長い期間を要するものと推察します。御存じのように、この道路は、塩竈、多賀城そして仙台港周辺の工場地帯と仙台空港やその周辺の物流基地、さらには岩沼、亘理など仙南の工場地帯をつなぐ重要な幹線道路です。  今回の震災被害で、閖上大橋は橋脚と橋げたをつなぐ部分が破損し路面に段差が生じたことから、二カ月以上通行ができませんでした。このことによって、有料道路である仙台東部道路、特に名取インターチェンジと今泉インターチェンジの間が大変混雑することとなりました。また、国道四号仙台バイパスを初めとして多くの道路が混雑する要因ともなりました。塩釜亘理線の付近は現在も電気供給が行われていないところもあり、交通信号機及び道路照明灯の復旧工事が行われています。このことによって、仙台港へ通行ができない状況にあり、完全復旧の時期は未定となっています。  このような事情から改めて提案するわけですが、四号バイパスの千代大橋と仙台東部道路の新名取川橋の中間に新たな橋梁をかけ、物流などの停滞を防ぐべきと考えます。同様の提案は以前からありましたし、私自身も四年前の一般質問でも建設を求めたところです。その際、都市整備局長は、仙台国際貿易港と仙台空港を結ぶ幹線道路の円滑な交通環境の確保に向け、名取市内の閖上五差路交差点の改良等の整備につきましては、事業主体である宮城県にその整備を要望しているところですとの答弁にとどまっています。  仙台市は昨年、都市計画道路の見直しを行い、計画中止の路線を示していることも承知をしています。しかし、本当に必要な道路はつくらなければなりません。仙台市の道路整備計画は、仙台駅を中心として放射状の道路とそれをつなぐ環状道路を基本として整備を進めています。ですが、外環状道路は一部が抜け落ちています。この空白の部分が若林区であり、六郷地域なのです。計画策定時の議論はあるとは思いますが、今後、仙台市、そして宮城県の復旧・復興を考えたとき、さらに三十数年に一度の確率で発生するとされる宮城県沖地震に備えるためにも、新たな橋梁とそれにつながる道路の整備を一日も早く進めるべきです。  具体的には、若林区荒井地区から六郷地域への道路を拡幅し、新たな橋梁を経て太白区袋原、四郎丸地区に接続すべきです。現在工事が進められている都市計画道路、中田吹上線及び中田袋原線へと接続、さらに名取市の名取駅閖上線へとつなげれば、非常に有効な道路になると考えるものです。  震災復旧・復興に伴う事業費は国に頼らなければならない状況で、さきに示されている復興ビジョンの骨格をなす県道塩釜亘理線の盛り土によるかさ上げ事業、さらに田園再生ゾーンの基盤整備事業をスムーズにしっかりと推進するためにも絶対に必要な事業と考えます。復興計画に明記すべきと考えるものですが、御所見を伺います。  次に、道路の瓦れき撤去に関して質問いたします。  道路の瓦れき撤去が終了し、宅地内の瓦れき撤去も進んでいると認識するものです。今後は、農地の瓦れき撤去に移ることになります。十七日の代表質疑において、七月一日から農地についても瓦れき撤去を行うとの答弁があり、評価するものであります。  水田などの瓦れき撤去を行うために、東部地域の農業用水及び排水はすべて霞目雨水幹線に排水することによって乾田化し、重機などを使って作業を予定しているものと推察します。被災車両や太く大きな松の木などを撤去するには、ぬかるんだ状態ではできないことから、適切な対応と考えるものです。  しかし、その一方で用排水路には水が流れないのですから、滞留した水は死に水となって腐ってしまいます。六月に入り、気温が上がってきました。このような中で、東部地域の集落の中を流れる用水路等からは異臭が発生する事態となっています。今後、ハエや蚊などの発生も危惧されます。霞目雨水幹線から下流に水を流さないことはいいことですが、水路にはいまだに瓦れきや、中には自家用車が入ったままになっています。また、川底には津波時に運ばれたヘドロも残っていることから、さきのような異臭が発生しているのです。気仙沼や石巻など漁業産廃によるハエなどの異常発生には至っていませんが、一日も早い対策が求められます。長期予報では、昨年ほどではないものの、高温の日が多いと予想されています。異臭対策、さらには感染症対策などについて万全の衛生対策を求めるものです。所見を伺います。  また、単に瓦れき撤去をすればいいという問題ではありません。場所によっては地盤沈下が発生しています。可能な限り勾配がとれて、再び滞留が起こらないような対策を求めるものですが、考えをお聞かせください。  次に、被災者住宅の復旧への対応について伺います。  先ほども触れましたが、仙台東部道路の東側の瓦れき撤去が進んでいます。一部の地区を除き、電気、水道などライフラインも復活していますが、津波に流されずに残った家屋はすぐに簡単な修理で住める状況にはなく、大がかりな修繕を要する状態であっても、住みなれた土地で、そして自宅に戻って住みたいと考えるのは無理もないことです。しかし、復興ビジョンに描かれている構想からすれば、新たな住宅の建設または大規模な修繕を行えるのか行えないのか、はっきりしていません。  仙台市は住宅建設に関して建築制限をかけてはいません。ですが、このエリア内で建築許可を受けようとすると、区の街並み形成課では、区の段階では判断できないので本庁の開発調整課で具体の話をしてくださいとの対応になっています。また、その一方で、壊れてはいるものの面積などを変えないで修繕を行う場合は、建築申請を行わなくてもよいことになっています。ですから、個人の判断で修理は可能となります。しかし、復興ビジョン、復興計画案では建築の制限が明記される方向にあります。規制のかかったエリア内で修繕を行った場合、生活支援法によって支給される加算支援金が受けられるのか、はたまた、計画策定後に修理した家屋を取り壊すことになるのかなどなど、さまざまな問い合わせが寄せられています。  今は仮設住宅などに入って一段落したところでありますが、可能であれば雪が降る時期前までに一定の修理を行い、自宅に戻りたいと考える方が多いようです。このような人たちには、十月の計画決定は余りにも長い時間に感じていると考えます。難しい問題であることは重々承知をしていますが、建築の規制に対する現時点での考えを伺います。  次に、一日も早い学校授業の正常化にかかわって、学校施設の修繕について伺います。  いただいた資料によりますと、校舎の復旧に一カ月以上を要する見込みの学校は小学校で十三校、中学校で九校、また屋内運動場が使用できないのは小学校で十一校、中学校は七校となっています。もちろん、さきに挙げた学校のすべての教室が壊れたわけではありませんので、被害の少ない特別教室を使用しての授業を行っている学校もあります。それらのやりくりをしても教室が確保できずに、屋内運動場や武道場を仕切って教室として使用したり、近隣の学校や市民センターなどを借りて授業を行っている学校は小学校で八校、中学校で七校もあります。  東日本大震災対策特別委員会として西多賀小学校を調査したほか、独自に蒲町小、愛宕中を調査しました。各学校の建設年次が異なることや地盤の違いなどもあって、被害の程度や破壊の箇所もさまざまでした。しかし、気になる点が数点あります。順次伺います。  第一点は、耐震補強工事は西多賀中学校の屋内運動場を除いて終了しています。このような中で、今回の被害状況についてどのような見解をお持ちなのか伺うものです。  もちろん耐震補強工事は、工事によって絶対に壊れない校舎に変わるものではなく、倒壊や大規模な躯体落下などを防ぎ、生徒及び教職員の安全を確保するための工事であることは理解するものですが、今回の被災状況を見る限り、簡易な修繕によって復旧する内容ではなく、解体そして新築も考えなければならない状況を踏まえて答弁を願います。  第二点は、被災校舎に共通点が見られることです。被害程度の大きい学校のリストを見ると二つのパターンが見てとれます。一つは旧泉市の学校が多いこと、二つは合併前の仙台市の中である時期に建設された校舎が多いということです。旧泉市の場合は、大規模な団地開発によってつくられた時代の学校で、小中合わせて七校です。しかも設計はばらばらですので、今後の対応に注文をつけることは難しいと考えています。  その一方、仙台市の場合、毎年複数の学校を建設する時代であり、個々の教室の配置などは異なるものの、基本は同一設計でつくられた時代の建物です。小学校では西多賀小学校、蒲町小、茂庭台小、中学校では愛宕中、七郷中そして西山中です。昭和五十五年から六十年に建設された校舎が中心です。この時期は、前回の宮城県沖地震の被害を教訓に建築基準法の改正が行われた前後の建物です。また、この時期に建設された校舎は、被災のあったこの六校のほかにも多数あります。同じ設計で同じ時期に建設されていながら、被害に大きな差が生じていることを見逃すことはできません。もちろん地盤の強度やそれらの調査に基づく基礎対策などの有無などあるかとは考えますが、余りにも被害に大きな差があることから考えると、コンクリートの強度や施工方法に問題があったのではないかと考えるものです。早急な改修を求めるわけですが、設計図書をもとにした計算上の耐震指数ではなく、被害があった校舎もなかった校舎も含め、構造壁部分のコア抜きなどによって実際の強度を把握すべきです。このような取り組みがあってこそ、真の安全性が担保されると考えます。御所見を伺います。  第三点は、改修で対応できる校舎はそれなりの時間を要することになるものの、原状復旧できるものと考えます。しかし、柱部分が大きく破損し、かつ全域で破損が見られる西多賀小学校の東校舎や、校舎全体が二十センチも沈下した蒲町小学校の西側校舎の修復は非常に難しいと感じています。学校建設に対する国の補助率は三分の二ですが、仮に改築となった場合、解体費用そして新築費用に対する国庫補助率はどのようになるのか伺います。  また、今回の大震災で被災した校舎の修理または改築に要する費用は、現時点でどの程度の額となるのか伺うものです。平均的な学校規模である普通教室十八クラスの建設費用は九億円前後と伺っています。仙台市だけの問題ではありませんが、これまでの補助率での修繕、改築となった場合、仙台市負担額は非常に大きな額になると推定されます。改築となった場合の補助率などを含め、市独自の負担額はどの程度と推定しているのか、改めて伺います。  また、多額の予算が必要となることから考え、補助率の引き上げを国に求めるべきと考えます。いかがでしょうか。  第四点は、別次元の問題となっている折立小学校の対応について伺います。  折立小学校津波被害などではなく、団地造成に起因する地盤の問題です。校舎のすぐ上の民家が地盤ごとずれ落ちており、校舎そのものが危険にさらされています。このような事情から、学校そのものの移転改築も検討されるべきと考えます。現時点での考えを伺います。  次に、屋内運動場の修繕及び改築について伺います。  私は、さきの第一回定例会の一般質問で、屋内運動場の床構造の問題を取り上げ、特にコンクリート床の早期改修を求めました。その際、指定避難所として屋内運動場は寒さへの対策や梅雨どきの結露などの問題を指摘しました。今回の震災は三月十一日、当日の午後からは小雪が降る天気でした。その後も最低気温が氷点下となる日もありました。避難所開設当初は、寒さを防ぐのは毛布だけでした。改めて早期にコンクリート床を木製床に改修するよう求めるものですが、実際に避難所運営を行ってきたことの総括を含め御所見を伺います。  第二点は、既に三十年以上経過した屋内運動場は、改修費用の費用対効果から見て建てかえが妥当と考えます。その中でも、四十年近い使用年数となっている大和小学校、六郷小学校の屋内運動場の改築手法について伺います。  この問題も第一回定例会で取り上げ、早急な改築を求めていたものです。前回も申し上げたように、文科省の改築基準をクリアしているわけであります。この二校は特に敷地面積が非常に狭い学校です。現在の文科省基準の面積で建築すれば、一層、校庭、運動スペースが狭くなってしまいます。隣接する民地を購入し拡張する方法も考えられますが、どちらも道路などで囲まれていることから難しい状況です。仮に用地拡張が可能であっても、土地の買収交渉にはかなりの時間を要することも考えられ、現実的な対応とは考えられません。  そこで提案ですが、屋内運動場とプールの合築、つまり重層化という手法をとるべきと考えるものです。仙台市にも過去に重層で建築した事例があります。しかし、問題がないわけではありません。下部にプールを配置した場合、水温の問題など、逆にプールを上部に配置した場合は三百トンを超える荷重の問題などがあります。さらに建築費用のアップも想定されます。であっても、一日も早い教育環境の整備が求められるわけであり、当該の地域住民や教職員との協議を行うとともに、他都市の事例などを参考に早急に方向性を示すべきと考えます。御所見を伺います。  次に、仙台市体育館の改修にかかわって伺います。  市民利用施設の使用再開が進んでいます。施設全体が改修終了してからのオープンではなく、使用可能な部分からスタートしていることにも評価するものです。このような中で、いまだ使用できない施設があります。その一つ、仙台市体育館の第一競技場の改修状況について伺うものです。  特別委員会の調査で天井部材の落下を見てきました。断熱、吸音のために使われているグラスウールは軽いものですから大きな問題ではありませんが、このグラスウールを保持するための金属が多数落下したことは大きな問題です。太さ六ミリの鉄の棒を格子状に溶接したもので重さは一個五キログラムほどです。それが、約二十メートルもの高さから落下したのです。発災時は団体利用がなく、一般公開でしたので個人利用の七名だけだったということで、もちろん負傷者はありませんでした。既に臨時議会で承認された補正予算二億円が計上され、改修中であります。  仙台市体育館は、89ERSのホームコートとなっています。昨シーズンは地震前までイースタンカンファレンス二位につけ、ことしこそは優勝をと期待されました。しかし、体育館の損傷、スポンサーの被災などで試合ができる状況になく、残念でしたがチームは解散せざるを得ませんでした。地元ファンは大変がっかりしたわけでありますが、解散から二カ月ほどで、チーム関係者の努力やスポンサーの協力もあり、新シーズンには参戦することが決定しました。既に市体育館には仮予約が入っているとのことです。  現在工事中でありますが、今後の災害によって再び落下などが起きないのか、具体の改修内容を伺います。また、落下した金属片を見たところ、きれいな断面になっており、瞬間的に非常に大きな力が加わって破断したものと推察できました。今回落下しなかったものであっても、同様の力が加わっていると考えられることから金属疲労も気になります。どのような対策を講じられているのか、あわせて伺います。  最後に、緊急な問題となっているり災証明書の発行問題について伺います。  国は、震災復興をバックアップする施策として東北地方の高速道路について無料化を打ち出し、昨日より実施されました。傷ついた心をいやすための旅行など私的な利用や物流関係者の支援など、大きな効果があると思われます。しかし、料金所で提出が求められる資料として各自治体が発行するり災証明受理書や被災証明書が必要であることから、各区役所の窓口が大変な混雑となっています。高速道路の無料化を目的としたり災証明の受け付け件数は、昨日現在で三万二千九百三十五件となっています。  スタートした昨日、テレビ等は利用の実態とともに他都市の証明書発行の状況も伝えました。その中に、自宅の損傷が小規模であっても、さらに被害がなくても二日間停電であったことを理由に証明書が取れるということが周知されました。このことを知った仙台市民は、これまで対象者でないと思っていた方々が一斉に窓口に殺到することになりました。  資料によりますと、六月八日から申請が出されるようになり、日を追うごとに増加しています。そして、昨日は何と一万一千七百十四件の申請があり、きょうも大変な混雑となっています。駐車場が少なく公共交通の整備も弱い若林区役所では、北側の幹線道路まで並ぶ状況になり渋滞を引き起こしています。太白区役所や宮城野区役所でも同様の混雑が見られています。さらに問題は、区役所の通常業務に関連して来庁される方々に大変な御迷惑をおかけする事態になっていることです。特に乳幼児の定期健康診断などを考えると大変な問題であります。  民主党政権のパフォーマンスともとれる今回の無料化ですが、まさに自治体窓口の実態を知らない官僚と、それに飛びついた政治家のつくり出した失策です。一日も早く混雑の解消策を講じることはもちろんですが、国に対して、より有効な手法、例えば無料区間の全車両無料化や居住地を証明する運転免許証だけの提示などの方法に変更するよう強く求めるべきと考えます。この間の対応と今後の取り組みについて伺います。急を要する問題だけに早急に対応を求め、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 49: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの相沢和紀議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、東部地域における建築規制についてでございます。  今回の津波により甚大な被害のありました東部地域において、住民の皆様の生命を守るためには施設だけに頼った防災対策では不十分であることから、土地利用の見直しや建築制限などもあわせた総合的な防災対策が必要であると考えるところでございます。  建築制限につきましては、これまで私も出席いたしました復興座談会などの場におきましても、早期に市の考え方を示してほしいという御意見を伺っているところでございますが、一方で皆様の大切な財産にかかわる権利を制限するものでもございますことから、私ども行政が一方的に定めるのではなく、お住まいの住民の皆様の意見等をお聞きしながら慎重に判断することが肝要であろうと考えているものでございます。  そのため、今後、地元の皆様に現在作業を進めております津波シミュレーションの結果などをお示しするとともに、この建築制限も含めましたさまざまな制度につきまして、具体かつ率直な意見の交換をさせていただき、こうした取り組みを踏まえまして、八月中を目途に、安全性を確保するために必要な建築制限の方針を明確にしてまいりたい、このように考えているものでございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 50: ◯財政局長(山内晃)高速道路無料化に伴うり災証明に関しての御質問にお答えします。  御指摘のとおり、東日本大震災の被災者を対象とした無料化施策に伴い、その確認資料となるり災届出証明書やり災証明書の申請が殺到しており、窓口が大変混雑している状況にございます。  本市では、この施策の実施に備えまして、迅速、公平に事務を処理するため、専用の簡易な書式や窓口を設け、専従体制を強化するなどの対策を講じてきたところでございますが、今後申請数はますます伸びていくことが予想され、事務負担は本来の復興支援業務に支障を来しかねない膨大なものとなることが強く懸念されております。  このため、り災証明等によらない簡便な手法による対応や原本に限らずコピー提示でも可能とするなど、簡素化に向けた国への緊急要望を早急に行うよう鋭意作業を進めているところであり、また、混雑緩和に向けた対応にも努めてまいる所存でございます。  以上でございます。
    51: ◯市民局長(高橋一典)仙台市体育館の改修についてお答えいたします。  今回の金属部品の落下は、天井が一体構造であったため、揺れの力が天井の特定箇所に集中したことにより、天井枠に固定していた金属部品の一部が破断したことが原因であると考えております。  したがいまして、改修方法といたしましては、天井にクリアランスと呼ばれるすき間を設けることにより、全体を五つに分割し、揺れの力が特定箇所に集中しないようにいたします。また、グラスウールと金属部品につきましては、落下しなかった箇所も含め、より強固に固定する対策を講じることとしております。これらの改修により、強い揺れにも耐久性が増すものと考えております。  利用者の安全確保を第一に、早期再開に向け改修工事を進めてまいります。 52: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、用排水路の衛生対策についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  現在、津波により用排水路内に堆積した瓦れきや土砂、ヘドロなどが順次除去されておりますことから、作業進捗に伴って異臭やハエ、蚊などの害虫の発生についても抑制されるものと考えられます。  しかしながら、本年は用排水路を使用しないことから、滞留した水により、御指摘のような状況も危惧されるところでございます。今後は現地を確認するとともに、地域の方々とも協議しながら、必要に応じ消毒用薬剤や殺虫剤を散布するなど、感染症予防に向け十分な対策を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 53: ◯経済局長(高橋裕)用排水路で滞留が起こらない対策につきましてお答えをいたします。  これまで水路に堆積しておりました瓦れきや土砂等を除去し、水路の流れを確保する作業を行ってまいりました。幹線水路はほとんどが機能を回復しておりますが、まだ支線水路では流れない箇所がございますことから、今後も衛生的観点も踏まえ、継続して水路の機能確保に取り組んでまいります。  地盤沈下が発生した箇所につきましては、ポンプの利用などにより応急的に対応するとともに、今後、東部地域の測量や解析を行い、上流や下流の状況を確認しながら排水勾配の確保など必要な改修を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 54: ◯都市整備局長(高橋秀道)新たな橋梁等の整備についての御質問にお答えをいたします。  昨年度行いました都市計画道路の見直しにおきまして、国道四号バイパス、仙台東部道路と塩釜亘理線を、東部地域の南北をつなぐ幹線道路として位置づけておりまして、これらの道路により将来の交通処理に対応できるものと判断をしております。  また、厳しい財政状況の中、このたびの震災復興には多大な事業費を要するものと見込まれることから、御提案の名取川への架橋を含めた新たな道路を整備することは大変難しい状況にございます。  なお、今回大きな被害を受けました塩釜亘理線につきましては、復興ビジョンにおいて新たな防災機能を強化した幹線道路として示しており、今後、被災した東部地域の復興に貢献していくものと考えてございます。  以上でございます。 55: ◯教育長(青沼一民)私からは、学校施設に関する数点のお尋ねにお答えいたします。  まず、学校の耐震補強工事がほぼ終了している中での学校の被災状況についてですが、今回の震災におきましては、倒壊した建物はなく、幸いにも児童生徒、教職員などに建物を原因とする負傷等はございませんでした。  大きな地震に際して建物の倒壊や崩壊を防ぎ、建物内にいる人の安全を図るという耐震化工事の本来の目的は果たせたものでありますが、すべての学校施設が何らかの損傷をし、また、多くの学校において復旧に長期の期間を要する甚大な被災であったというふうに認識しております。  次に、校舎被災の原因としまして、コンクリートの強度や施工方法に問題があったのではないかとの御質問でございます。  御指摘のように、今回の震災における学校の被災の程度は、同時期の施工の学校であっても学校による違いがございますが、その要因には地盤の問題を初めとしてさまざまな可能性があると考えられます。今回、比較的重度の被害を受けた学校については、専門家による調査を行っているところでございまして、最適な復旧方法を検討してまいることといたしておりますが、必要に応じて議員御指摘の手法も勘案しながら、本市の学校の安全性の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、補助率等に関する御質問についてでございます。  今回の震災により被災した学校のうち、比較的重度の被災を受けた学校の校舎につきましては、その被災状況を調査し、復旧の方法を検討しておるところでございます。最終的には文部科学省の査定を受けて決定することとなっておりますが、現行制度におきましては、修繕または改築による災害復旧に要する費用は三分の二が国庫負担、三分の一が地方負担となっております。  この場合の本市の負担額につきましては、今後復旧方法の特定がなされ、それぞれの工事費の積算を行うことにより具体的になりますが、かなり大きな額になるものと想定しております。地方負担額に対しましては一定の交付税措置があるものの、被害の甚大さにより本市の負担が過大となることが想定されますことから、費用の全額を国庫負担とするよう国に要望しているところでございます。  次に、折立小学校に関する御質問についてでございますが、現在、隣接地域において地すべりの危険性があることから、折立中学校の施設を使用して学校運営を行っているところでございます。今後につきましては、当面は折立中学校敷地内に仮設校舎を建設することといたしておりますが、校舎の使用の可否の判断やその対応につきましては、地すべり地域の今後の対策の動向を見据えながら検討していくことが必要と考えております。  続きまして、屋内運動場に関するお尋ねのうち、コンクリートにゴム系塗装を行った床の改修についての御質問でございます。  今回の震災の避難所として使用された屋内運動場において、御指摘のタイプの床に関し特段の支障はなかったものと認識しておりますが、第一回定例会でもお答えいたしましたとおり、現在、新築あるいは改築により屋内運動場の整備を行う場合には木の床としているところでございます。  市立の学校の児童生徒にはできるだけ同じ環境でという観点からも、現在国の補助対象とはなっていない床の改修について、今後、国への働きかけの方策などを他の指定都市とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。  最後に、大和小、六郷小の屋内運動場についての御質問でございます。  被害を受けた屋内運動場につきましては、現在行っている調査の結果を踏まえ、復旧の方法について、修繕とするか改築とするかを文部科学省の査定を受けて決定するものでございます。  この二校につきましても、災害復旧としてはその決定に沿って行うこととなりますが、仮に修繕による復旧を行った場合においても、将来の改築についてこれまでの市立学校全体の改築計画を踏まえ、その時期や手法について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 56: ◯九番(相沢和紀)三点について質問いたします。  まず第一点は、証明発行の関係です。  本当に大変な状況になっています。先ほど太白区役所の方も問い合わせをしましたが、区役所を二重に取り囲むような状況にもなっているというふうな状況でございます。特段の対応をとってきたということでありますけれども、先ほど申しましたように乳幼児健診等の本当に車でしか来れない、そして子供を一緒に乗せて来なければいけない、こういった方々の駐車場を確保するという点からも、この証明発行が今後さらにずっと一週間、十日続くというふうになれば大変な問題だろうと。個々、個人の一件に一枚の証明じゃなくて、運転免許証に対して一通の証明というふうになれば、市内で何十万という発行件数になろうかというふうに思います。そうしたときに、このままの対応では問題がある。早急に特別な会場を設けて証明発行を行うとか、またはそういったことも考えるべきではないかというふうに思いますが、お答えいただきたいというふうに思います。  それから、新たな橋梁建設の関係でありますが、きのうから無料化となったこともあって、けさ七時ごろに東部道路で交通事故が発生をいたしました。片側だけでございましたけれども、こうした交通事故によって東部道路が遮断をされる。そして、今現在の亘理塩釜線が七北田川で通行できない状況になっている。こうなると、今は物流そのものが、仙台港周辺が、また、空港周辺部がまだ完全復旧していないから車両がそう多くはございませんが、これがやはり復旧した場合には大変な車両が通ることになります。こうしたことが、今挙げられた二本の道路だけで、片方が通れなくなれば大変な状況になることは目に見えています。  ぜひこの現実を、この東部道路、塩釜亘理線の渋滞状況を、ぜひ局長、そして市長もごらんになっていただけないかというふうに思います。そうした状況を踏まえて、再度答弁を願います。  また、三点の最後ですけれども、体育館の改修問題です。  三十五年が文部省の基準です。既に六郷小学校も大和小学校も三十六年、三十八年になっています。ですから基準をクリアしている。震災があってもなくても、仙台市として建てかえたいと言えば、文科省はそれに対してゴーサインを出すしかないんです。そういう状況なのに、状況を見てから判断というのは問題があるというふうに思います。すぐにでも改築をするという前提に立って、この改築方法そして土地の確保、こういったことについて真剣に考えるべきだというふうに思います。再度、答弁を求めます。 57: ◯財政局長(山内晃)高速道路無料化に伴うり災証明の関係でございます。  国への緊急要望については先ほど御答弁申し上げたところでございまして、混雑緩和に向けた対応につきましても、区役所以外、本庁でも八階で受け付けておりまして、それについてPRをさらに進めたいと思っておりますし、また、そのほかの窓口の拡大についても今検討しているところでございまして、区役所でも混雑緩和が図られるよう鋭意努めてまいる所存でございます。 58: ◯都市整備局長(高橋秀道)新たな橋梁等の整備についてということでの再度のお尋ねでございます。  先ほど御説明申し上げた中で、将来の幹線道路と位置づけてございますけれども、これらの道路によりまして、将来の交通量にも十分対応できるというようなことがございます。それと、今後の震災対応、これにも巨額の事業費を要することは十分予想されますので、今お話しいただいてはおりますけれども、新たな橋梁を整備することについては大変難しいものというふうに考えてございます。 59: ◯教育長(青沼一民)先ほどの大和小、六郷小の屋内運動場につきましては、現在の状況等について調査の結果を踏まえて復旧の方法等を含めて行いたいと思いますが、いずれにしても市立学校の改築計画に基づいて、将来の改築を含めて時期や手法について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 60: ◯九番(相沢和紀)再度、一点お聞きいたします。  新たな橋梁の関係でございますが、以前にこの議会の中で新設の要望があって、予算に調査費が計上されたということがあったというふうに聞きました。そのときの調査費はどのような経緯でつけられ、そしてどのような調査内容として残っているのか、今の時点でわかればお答え願います。 61: ◯都市整備局長(高橋秀道)その辺の調査費の経緯については、現時点では把握しておりませんので、申しわけございません。 62: ◯副議長(渡辺公一)次に、西澤啓文君に発言を許します。     〔三十三番 西澤啓文登壇〕(拍手) 63: ◯三十三番(西澤啓文)西澤啓文でございます。  初めに、東日本大震災で亡くなられた皆様に改めて哀悼の意を表させていただきますとともに、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。  議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  まず、個人情報保護と震災後の支援策をめぐる問題点につき、お伺いいたします。  個人情報保護法施行後、この法律は国勢調査の折や町内会、民生委員の方々の活動において大きな阻害要因になることが少なからずあって、これまでもその運用につき議論がなされてきました。  今回の震災後、水、電気、都市ガスといったライフラインが途絶する中で、多くの地域で、そこの防災組織のメンバーの方々がそれぞれ地域内の高齢者や体の不自由な方々のため生活用水や飲料水、食糧などを届けたり、その安否確認をされていたそうですし、停電でエレベーターがとまった高層マンションなどでは、例えば十八リットルのポリ容器に満タンの水を入れ、階段を使って連日何回も何カ所にも届けたところもあったとお聞きしました。その地域力のすばらしさには、頭が下がります。  一方、その逆で、特にマンション等の集合住宅で入居者の個人情報が全くないために地域の方が何の対応もすることができず、その結果、入居者が孤立してしまったというところも数多くあったとも伺っております。  御当局は、これらのケースについての情報を把握されておられるのでしょうか、お伺いいたします。  確かに、平時は多くの市民が他の人の力をかりずとも十分に自分だけ、あるいは家族だけで生きていくことに何の不自由もありませんから、人と交わる煩わしさを逃れ、地域と距離を置いても問題は生じませんが、今般のような大震災の際には、老若男女を問わず、自室でけがをされる、あるいはたんす等に挟まれ動けなくなることもありますから、有事の備えとしては、常日ごろより地域の方との連携を密にし、自分の存在を示しておくことは重要と考えます。  また、震災前には一部の仙台市立の小中学校において、個人情報の保護の観点からクラスの連絡網も全くない場合や、担任にさえもその連絡先を教えたくないという保護者もあったとお聞きしました。これでは、学校で被災した場合など担任から保護者への児童の引き渡しなど、その安全確保に支障を来すこともありますから、保護者の子育て責任を果たす上からも、私は連絡先等一部個人情報を学校に開示することは必要であると思います。  こうした点に関し、御当局はこれまでに有事を想定して何か対策をお考えになられたことはあったのでしょうか、お伺いいたします。  このように、地震等災害後の自分自身や家族の安全確保のために地域の方の協力を得るには、それに必要な限度での個人情報の一部を開示することも考えるべきと思いますし、これまでは個人情報の開示に否定的だった方の中にも今回の震災を経験され、開示する必要性を痛感されている方も多いと考えます。確かに、個人情報は重要な法益ではありますから慎重に取り扱う必要はありますが、名前さえも開示しないというケースなどは行き過ぎだと思います。  先般の同僚議員の質疑への御答弁の中で、震災時における在宅高齢者の生活支援について、包括支援センターも町内会や民生委員と連携して対応していく考えも示されましたが、これらだけでは現実にすべてをカバーできず、私はかえって現場が混乱してしまうこともあろうと考えます。例えば、今回ある程度の個人情報を持つ民生委員だけで前述の高層マンションなどに、ポリ容器に満タンの水を階段を使って連日何回も何カ所にも届けることなどは不可能でありますから、これを実施するには町内会員や若い方々などの協力が必要でありますが、ただ、その場合、協力された方々に届け先の個人情報の一部が知られることにもなるなど課題もあります。この課題を解決しなければ、災害時の生活支援への有効な対策を講じることは難しいと考えます。  それにはまず、個々人の個人情報に対する認識、さらに行政初め個人情報を取り扱う事業者について、いわゆる過剰反応といわれる状況を改めていくことが求められます。例えば、市民一人一人が個人情報だからと、必要な範囲の関係者間でさえも情報を共有することを過度に敬遠してしまうこと、また、個人情報を取り扱う事業者が、個人情報だから、目的外の利用に当たるからという、ただそのことだけで緊急にその情報を必要とする方々への提供や目的外利用をかたくなに拒むことも過剰反応の一例であります。  こういった状況を改めるには、このたびの震災において生じた事例などを示し、いたずらに慎重になり過ぎることがないよう、改めて普及啓発を図ることが重要であります。  実際、本市の個人情報保護条例では、本市が保有する個人情報について、本来の利用目的以外に利用したり、第三者に提供したりしてはいけないことを当然の原則としながらも、個別のケースに応じ、個人情報を目的外に利用するための目的、本人の権利、利益の侵害の程度、その他の事情を考慮して、やむを得ない理由があると認めるときは、目的外利用や第三者への提供も可能とされております。  本市として、国の定めた法律についてガイドラインを示すことには難しい面もあると思いますが、少なくとも、その趣旨を正確に普及啓発する取り組みを進めるべきであります。地震等の災害時における安全・安心のためにも、改めて個人情報保護に対する過剰反応について注意喚起を図り、個人情報保護法や条例の趣旨について周知徹底を図ることが必要ではないでしょうか。市民や事業者の方々の個人情報保護に対する誤解を解くことが、必要な情報を相互に共有しながら、いざというときの体制を地域、学校、福祉施設等においてそれぞれに整備していくために必要であります。  震災の記憶が薄れる前の今だからこそ、そして再び余震や宮城県沖地震が発生する可能性があるこのときだからこそ、必要な取り組みであると考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  今般の大震災後、国においても復興には雇用の安定とその担い手である地元企業の安定経営が不可欠であるとの考えから、まずこの震災の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するために休業等を実施した場合に、休業手当等の一部を助成する雇用調整助成金に特例を設け、支援を拡充してきました。加えて、五月にはさらなる追加措置として、平成二十三年五月二日以降に東日本大震災の影響による被災離職者の方を雇用した事業者に対して、一年間に一人当たり、中小企業九十万円、大企業五十万円を支給する被災者雇用開発助成金制度での支援を始めました。この制度は、被災地域の雇用情勢が大変厳しい状況にあることから、当面はすべての申請にこたえる予定になっており、その期限も被災地の雇用情勢の回復ぐあいで判断するもので、予算不足になれば速やかに補正予算で対応を予定するなど大変有効な施策になっております。  本市も今定例会に優遇措置を講じた災害関連融資制度を補正予算として計上しておりますが、これだけでは経済の活性化に十分とはいえないことから、国の制度ではありますが、本市内の一社でも多くの企業がこの制度も利用することで元気を取り戻せるように、本市は率先してこの制度の活用促進に向けその周知に全力で取り組むべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  次に、水道局にお伺いいたします。  本市内の西道路青葉山トンネルに沿ってあります青葉山隧道には、百万市民の十九日分に相当する飲料水約五万トンが備蓄されておりますし、浄水場からの送水管はあみだくじのようにお互いに融通できるように配管していますから御安心ください、私たちはこれまで地域の防災訓練のたびにこう教えていただきました。が、しかし、残念ながら今回の大震災においては、この隧道周辺の地域はもとより市内の約半数の二十三万世帯が断水し、数日後には全国から七十五台の給水車が応援に駆けつけていただいたことで給水が可能になりましたが、多くの市民は飲料水とトイレ等の生活用水の確保に大変な思いをされました。  そこでお伺いいたしますが、災害発生時にこれらの施設はなぜ有効に機能しなかったのでしょうか。その原因は何だったとお考えなのでしょうか。お互いに補完し合う二重の給水システムですから、どちらかが使用できればこのような混乱は生じなかったと思いますが、いかがでしょうか。  私は、これからも大きな余震もないとはいえませんし、今後発生が予想される宮城沖地震の際に再び同じ轍を踏まないためにも、確実に機能するよう早期に再整備する必要があると思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  今般の東日本大震災により、本市内の道路の多くが地割れを起こしたり陥没するなど、大変な被害を受けました。このうち国・県・市道については震災後の早い段階から順次復旧作業が進められておりますが、私道の復旧については地元住民に多額の費用負担が強いられることからなかなか進んでおりません。  これまでも本市では、私道の整備に対しては、そこに側溝を入れる、あるいは舗装をする際に市民の費用負担の軽減を図る上から、各区役所がその窓口となり、七百万円を上限とし、その整備費の九割を補助する制度によってその整備を行っておりました。  しかし、ここ何年かは財政改革の流れの中、その年度の申込件数に対応できるだけの整備費が十分ではなく、場合によっては一、二年待たされるケースもあるとお聞きしております。したがって、従来のままでは到底この震災後の私道整備への支援策にはなり得ませんが、私はこの未曾有の災害により被災したことをかんがみれば、この際、補正を組んででもこの私道整備補助事業費を拡充し、現在地割れや陥没のため地元住民が安心して、また安全に通行ができないでいる多くの私道を早急に整備することは必要と考えております。  その上で、本市がこのことの周知を徹底するならば、自分たちが全額負担して私道の復旧を図るのは財政的に難しいとその整備をあきらめている多くの市民も積極的に取り組まれるものと考えますが、いかがでしょうか。  一方、また、本市内にはここ十年以内にこの制度を利用した、あるいはこの制度の道幅、距離、五戸以上の利用者といったその適用要件を満たさないが同じような災禍をこうむっている私道も多数あります。私は、今回に限り一歩進めて特例でこれらの私道も支援対象にすること、さらには本市が私道復旧費の全額を負担することも検討されてはと考えますが、いかがでしょうかお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 64: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの西澤啓文議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、個人情報保護と震災後の支援策についての御質問のうち、啓発に関連してのお尋ねにお答えを申し上げます。  個人情報保護に関しましては、国も一部に法律に対する誤解等に起因した過剰反応が生じていることを重視し、個人情報保護に関する基本方針を定め、ガイドライン等の必要に応じた見直しを進めるとともに、地方自治体等を通じ周知に努めてきているところでございます。  私どもも、市政出前講座等で法や条例の趣旨の啓発にこの間努めてまいったところでございますが、残念ながら誤解を払拭するまでには至っておらず、地域等において情報を共有するために必要な仕組みについて、今後さらに関係部局間で検討を深めてまいりたいと考えるところでございます。  このたびの震災の経験を踏まえますと、今後は市民の皆様の安全を確保するために、助け合いの体制づくりを進めることがますます重要になるものと認識してございます。その前段としての法の考え方について、国の関係機関等とも連携をしながら、市民や事業者の皆様に対するより一層有効な普及啓発の取り組みを工夫してまいりたいと、このように考えております。  このほかの御質問につきましては、水道事業管理者及び関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 65: ◯経済局長(高橋裕)国の被災者雇用開発助成金制度の周知につきましてお答えいたします。  本市におきましては、制度が拡充された五月二日以降、直ちにホームページで広報するとともに、中小企業支援合同相談窓口においても、その活用につきまして積極的に紹介を行ってきたところでございます。  今後とも、本市職員のみならず産業振興事業団の職員が企業を訪問する際や事業所向けに行う各種セミナー、多くの企業が集まる展示会などさまざまな機会をとらえまして、この制度の周知を図り、雇用の確保につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 66: ◯建設局長(栗和田幸夫)私道整備補助についての御質問にお答えいたします。  今般の震災に伴い被災いたしました私道につきましては、地元住民の皆様から多くの御相談をいただいており、皆様が安心して、また安全に通行できますよう、十分な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、御提案の制度の緩和措置につきましては、通常の補助採択要件のうち、道路の延長及び前回行いました補助からの経過期間の要件を外しますことで、災害復旧の支援を行ってまいります。  なお、私道は私有財産でありますことから、全額補助は困難でございますが、九割を補助してございますので御理解いただきたいと存じます。  以上でございます。 67: ◯副議長(渡辺公一)この際、時間を延長いたします。 68: ◯消防局長(高橋文雄)集合住宅における入居者の孤立等についてでございます。  自主防災組織の活動に係る情報の把握につきましては、活動の一つとして災害時に支援を要する方々を事前に把握しておくケースもございます。今回の震災におきましては、地域の自主防災組織により安否確認等の活動が行われた事例も多く見られますが、一方では自主防災組織が結成されていないマンション等におきましては入居者に関する情報把握が難しく、活動には困難が伴うものと考えているところでございます。こうした課題を踏まえまして、マンション等におきまして自主防災活動が促進されるように努めてまいりたいと考えております。
    69: ◯教育長(青沼一民)私からは、保護者との連絡体制に関するお尋ねにお答えいたします。  緊急時に備えて、すべての学校では個々の保護者の方々に対しまして十分に必要性を説明の上、連絡先の提出を求め、一斉メールや電話による保護者との連絡体制の整備に努めてきたところでございます。  今回の震災の状況を踏まえまして、保護者との連絡体制のあり方や電話の不通などにより連絡がつかない場合の対応策について、各学校に対して保護者の方々の協力を十分得ながら再度見直していくよう指導してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 70: ◯水道事業管理者(高橋亨)水道の災害対策についてお答え申し上げます。  水道局では地震災害などに備えまして、配水系統の二系統化や市内の給水エリアを細分化するブロック化などによりまして、断水などの影響を最小限に抑えるシステムの構築を進めてまいりました。  こうした対応の一環といたしまして、宮城県の広域水道からの送水停止対策といたしまして、茂庭浄水場から太白配水所へ送水するポンプ施設の設置工事を本年九月の完成に向け進めていたところでもございました。  しかしながら、今回の大震災では、この工事が間に合わず、青葉山隧道の漏水や管路網の大きな被害、そして停電の長期化といった事態が生じております。これによりまして、市内の広い範囲で断水が発生し、市民の皆様には大変な御不便をおかけいたしましたが、これまでの対策が復旧の早期化にはつながったものと考えております。  今後につきましても、災害に強い水道を目指し、適切な水運用システムの構築、送配水管の耐震化などに取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。          ────────○──────── 71: ◯副議長(渡辺公一)お諮りいたします。本日の会議は、この程度にとどめ、延会したいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 72: ◯副議長(渡辺公一)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後五時二分延会...